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意識不明、仲間が救助 社会人サッカーで心肺蘇生やAED

命を取り留めた大島克也さん(左)。AEDを使って救助した高川慎也さん(右から2人目)と竹橋勝さんに感謝の気持ちを伝える=上富田町スポーツセンターで
命を取り留めた大島克也さん(左)。AEDを使って救助した高川慎也さん(右から2人目)と竹橋勝さんに感謝の気持ちを伝える=上富田町スポーツセンターで
 上富田町朝来の上富田スポーツセンターで6月14日、自営業の大島克也さん(48)=白浜町堅田=がサッカーのプレー中に突然倒れ、急性心筋梗塞で意識不明になった。仲間が協力して心肺蘇生法を施し、自動体外式除細動器(AED)を使って救助した。一命を取り留めた大島さんは「皆さんに命をつないでもらった」と感謝している。


 当日は地元の社会人サッカーチームの10~60代の18人が、上富田スポーツセンターの屋内イベント広場でサッカーを楽しんでいた。大島さんは午後8時45分ごろ、人工芝のグラウンドの上に突然倒れた。呼吸困難に陥り、目の焦点が合っていなかったという。

 一緒にプレーしていたダイビングインストラクターの高川慎也さん(38)、介護福祉士の竹橋勝さん(41)がすぐに、胸骨圧迫による心肺蘇生を開始。大島さんの脈を診ながら交代で心臓マッサージを続け、屋内イベント広場の壁に設置されているAEDで電気ショックを与えた。午後9時すぎに救急車が到着し、搬送された時には大島さんの意識は回復していたという。

 「AEDがなければ厳しかったかもしれない」と振り返る高川さんは、ダイビングの講習で心肺蘇生法を教えていた。「必死だったのでよく覚えていない」と話す竹橋さんも定期的に心肺蘇生法の講習を受けていた。仲間が協力してAEDを準備したり、救急車を呼んだりして、チームワークで大島さんを救った。

 大島さんは手術を受け、一時は集中治療室に入ったが回復し、予定より1週間早い28日に退院した。その日の夜、家族と一緒に上富田スポーツセンターを訪れ、仲間たちに無事を報告。「皆さんには感謝しても、し尽くせない」と頭を下げた。大島さんが所属するチーム代表の佐竹秀紀さん(50)は「生きていてよかった」と、ほっとした様子だった。

 大島さんは「意識がなくなった時は、映像が目の前からパチンと消えた感じ」と振り返る。健康だったが、最近はサッカーをした時に胸の痛みを感じていたという。

 シーカヤックツアーの企画会社を営む大島さんは心臓のリハビリをしながら仕事復帰を目指す。「命を落としても不思議でない状態だったが、血流が止まらないように仲間が心臓マッサージを続けてくれた。勇気を持って行動していただいたおかげ」と話している。

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