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龍神村でケーキ販売 Iターンの榎本さん夫婦

移住後2人で店を運営するようになった榎本大志さん(左)と妻の恵さん=田辺市龍神村甲斐ノ川で
移住後2人で店を運営するようになった榎本大志さん(左)と妻の恵さん=田辺市龍神村甲斐ノ川で
フルーツが載ったホールケーキなどリクエストに応じた商品を販売している
フルーツが載ったホールケーキなどリクエストに応じた商品を販売している
 田辺市龍神村甲斐ノ川で、今年さいたま市から移住してきたばかりの夫婦がケーキを作って販売している。今はインターネットなどの通信販売が主だが、近く店舗を設ける計画。腎臓病などタンパク質制限が必要な人向けの洋菓子も販売している。


 夫婦は榎本大志さん(45)と妻の恵さん(42)。田舎暮らしを求めて紀南地方で移住先を探していたところ、龍神村甲斐ノ川の国道424号沿いの高台で希望にかなった中古住宅を見つけ、1月末に引っ越してきた。

 恵さんは製菓の専門学校を卒業後、洋菓子店社員を経て、さいたま市にある自宅のアパートで通信販売と受注販売の洋菓子店を営んでいた。パティシエとしてのキャリアは14年。

 一方、大志さんは移住してくる前はサラリーマンをしていたが、龍神村に来てからは店の運営の裏方に専念している。販促やインターネットでの営業事務の他、商品配達を担当している。

 店名は、さいたま市時代と同じ「菓子工房HOCCO(ホッコ)」。食べることで、ほっこりしてもらえるような菓子作りを目指していることにちなんでいる。

 フルーツが載った華やかなホールケーキ、シンプルさを生かしたロールケーキなど、自慢としているスポンジを使う商品を食べてもらいたいという。ギフトに使い勝手の良い焼き菓子類も保存料は無添加。ブランドが浸透している龍神村の養鶏家の卵を使うようになったことで「素材の良さで味が変化した。和歌山は食材に恵まれているのでうれしい」と恵さん。

 2人とも病気の経験があることがきっかけで、通常の商品とは別に、タンパク質を控えた菓子を販売している。原料として小麦粉の代わりに、タンパク質が少ないでんぷん粉を使用。クッキーやマドレーヌ、フィナンシェといった焼き菓子、冷凍のホールケーキなどがある。


秋には店舗営業も


 龍神村では5月中旬から営業しており、電話やインターネットを通じた通信販売が主だが、不定期で自宅で販売もしている。オレンジ色ののぼりが目印。

 自宅の離れを工房にしているが、近く店舗を併設させる形に改装する。ショーケースを設置して対面販売をする他、店内で食べることができる小さなイートインスペース、庭を利用したオープンカフェも開く計画。店舗営業は秋からの予定で、日本家屋の和室を客席にすることも検討しているという。

 移住前から買ってくれている客の他、地元でも口コミで広がっている。地元団体による大口の注文などで裾野が広がり、これまで地元になかった洋菓子店として利用が浸透し始めた。

 1人暮らしの高齢者などにも気軽に味わってもらいたいと、龍神村内は無料で配達している。龍神村外でも3千円以上購入の場合は、近隣なら配達している。

 大志さんは「龍神村内はプリン1個からでも配達させてもらうので、遠慮せず利用してもらえれば」、恵さんも「職業を生かして、地元の皆さんとコミュニケーションが図れる方法がないかとも考えている。何より地元で愛される店になれるよう、皆さんに店を育ててもらいたい」と話している。

 営業時間は午前10時~午後6時。水、木曜定休。店の情報はインターネットのフェイスブック、インスタグラム、ツイッターで発信している。

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