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「じもたび」の古道ツアー開始 田辺市民対象に計5回

語り部の案内で熊野古道を歩くツアーの参加者ら(和歌山県田辺市本宮町で)
語り部の案内で熊野古道を歩くツアーの参加者ら(和歌山県田辺市本宮町で)
 コロナ禍で落ち込んだ観光需要の喚起策として和歌山県田辺市が取り組んでいる市民限定の「じもたび(地元旅)キャンペーン」で、1泊2日で熊野古道を歩いたり、熊野三山を巡ったりするツアーが始まった。初回が3、4の両日にあり、市民14人が参加。来年2月まで計5回を予定しており、市観光振興課は「地元の魅力を再発見し、広めてほしい」と話していた。

 同課によると、じもたびキャンペーンの一つとして企画した無料ツアーは、1泊2日で熊野三山や熊野古道歩きを楽しむAコースと高野山や龍神村を巡るBコース(9月~11月に5回開催)、日帰りで大塔地域の百間山渓谷トレッキングや中辺路町内の古道歩きなどを体験するCコース(8月~来年1月に8回開催)を設定。7月1~20日に無料ツアー全体で180組360人を募ったところ、580組から応募があったという。

 Aコースの初回は、全員が旧田辺市から参加。熊野本宮語り部の会のメンバーに案内してもらいながら、人気コースである熊野古道の発心門王子から世界遺産・熊野本宮大社までの古道約7キロを歩いた。

 到着した本宮大社では、参拝後、九鬼家隆宮司(64)から各社殿の祭神や熊野信仰について説明を受けた。その後、旧社地・大斎原(おおゆのはら)を訪れたり、紙すきを体験したりして湯の峰温泉に宿泊。翌日には同じく世界遺産に登録されている熊野速玉大社や熊野那智大社などを巡った。

 妻と参加した田辺市湊の栗山有三さん(75)は「熊野古道は何度も歩いているが、今日は語り部さんや九鬼宮司の話を聞いて、あらためて熊野の良さを感じることができた。参加できて良かった」と笑顔で話した。

 同課の佐向大輝主事(29)は「地元に住んでいても熊野古道を歩いたことがない人もいらっしゃるので、ツアーを通じて地元の観光地の魅力を再発見してもらいたい。その上で友人らとあらためて一緒に来たり、SNSで情報発信したりして、地元の観光業を応援していただければうれしい」と話していた。

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