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IR整備の申請延期「不満で遺憾」 和歌山県知事

 国は9日「カジノを含む統合型リゾート施設」(IR)の自治体からの区域整備計画案の申請開始時期を、新型コロナウイルスの影響や各自治体の準備遅れなどを考慮して9カ月延期し、来年10月からとする方針を決めた。和歌山県の仁坂吉伸知事は「国は予定通りやりますと言うから、それに従って一生懸命やってきた。不満で遺憾だ」との考えを示した。

 国は当初、自治体と運営事業者が共同策定した区域整備計画案を来年1月4日~7月30日に受け付け、最大3カ所の開業地域を決めるとしていた。新型コロナ感染拡大によりIR誘致を目指す他の自治体の準備に遅れが出る中、県では和歌山マリーナシティ(和歌山市)への誘致に向け、予定通り進めてきた。

 しかし、国は計画案申請期間の来年10月1日~再来年4月28日への後ろ倒しや汚職事件を受けた新たなルールを加えて基本方針案を修正。9日にパブリックコメントを開始した。

 県では、IR運営に応募があった2社に、10月19日までに提案書類を出してもらい、来年1月に事業者を選定することにしていた。今回の国の方針案変更を踏まえ、県が実施方針を修正、事業者も提案書類を修正する必要があるため、県は事業者からの提出期限を延期する。新たな期限は後日決定する。

 仁坂知事は国の方針に不満を示した一方で「国が定めた手続きに従ってやるしかないので、変えられた手続きに沿ってやるしかない」と話した。その上で「約束したら、その通りきちんとやってください。何度も繰り返すようでは困る」と注文を付けた。

 和歌山県が開業地域に認められれば、2025年の大阪・関西万博開業に間に合う唯一のIRとなる可能性があったが「認定されれば、万博までに完成できると思っていたが、クエスチョンマークが付いてきた。日本にとっても残念なことではないか」と話した。

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