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修学旅行の宿泊増加 白浜温泉街、新型コロナで行き先変更

修学旅行の宿泊地としての利用が増えている白浜温泉街(2020年7月撮影、和歌山県白浜町で)
修学旅行の宿泊地としての利用が増えている白浜温泉街(2020年7月撮影、和歌山県白浜町で)
 修学旅行の宿泊地として和歌山県白浜町の白浜温泉街を選ぶ学校が増えている。各施設の営業努力に加え、新型コロナウイルスの影響で行き先を東京などから変更した学校が多いことも大きいとみられる。思わぬ”副産物”を得た町内の宿泊施設からは「来年以降にもつながってほしい」と期待の声が聞かれる。

 白浜温泉旅館協同組合によると、9~11月に小中学校や高校、特別支援学校の計52校(約4600人)が修学旅行で宿泊する。昨年は5~11月で計26校(約3200人)だった。組合事務局には今春以降、旅行代理店から「修学旅行の受け入れ実績がある施設を紹介してほしい」との問い合わせが多かったという。

 大阪、兵庫、奈良の各府県からの来訪が多い。県内からは計13校。1校当たりの生徒数は数十~約300人。感染防止策として「密」の状態を避けるため、宿泊施設は一つでも食事は複数の施設に分けるという学校もあった。

 組合に加盟する、ある大型施設では、受け入れ数が例年比で1・5倍になる。県内など近隣エリアからの利用が増えたことが影響したといい、浮いた交通費の分を料理のランクアップに使う学校もあるという。

 幹部は「部屋割りや入浴時間など感染防止に配慮しなければいけない点は少なくないが、ありがたい話だ。修学旅行の行き先は一度決めたら数年変わらないのが通例。全てはコロナを巡る状況次第だが(白浜行きが)定番になれば」と話している。

■地元校の利用も

 白浜温泉街の地元・白浜町の小中学校は修学旅行の行き先をどうしているのか。町教育委員会によると、県内を選んだ学校も多い。

 富田中学校の3年生は8、9日の日程で町内や田辺市本宮町を訪れた。宿泊は白浜温泉街の施設だった。例年なら東京で2泊するという。

 当初は、東京パラリンピックを観戦する予定だったが、新型コロナの影響で変更を余儀なくされた。その後、生徒にも意見を聞いて行き先を決めた。レクリエーションのウオークラリーやビンゴゲームには保護者が協力した。政府の観光支援策「Go To トラベル」を利用した。

 生徒たちは一定の満足感を得ているようだ。福本和正君は「『もう行けないかも』と思ったこともあったので、行けてよかった」。善利桜雪さんも「地元のホテルには泊まったことがなかったから、新鮮で楽しかった」と話す。上地萌依さんは「パラリンピックを観戦できる特別な学年が、コロナの影響で別の意味で特別な年になったけれど、思っていた以上に満喫できた」と振り返った。

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