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新庁舎整備巡る住民投票条例案を否決 田辺市議会

和歌山県田辺市役所
和歌山県田辺市役所
 和歌山県田辺市議会(定数22)は21日、市が2023年度内の完成を目指している新庁舎整備を巡り、計画の是非を問う住民投票条例制定案を賛成少数で否決した。賛成は共産党市議団の3人のみだった。

 新庁舎は東山1丁目の「オークワオーシティ田辺店」「紀伊田辺シティプラザホテル」を解体して建設する。

 この計画に反対する市民団体「市役所の東山移転の賛否問う住民投票市民の会」(畑中正好さんら共同代表)がこのほど、法定必要数(有権者の50分の1以上)を超える3660人分の署名を添えて条例制定を直接請求。これを受け、真砂充敏市長が「市民の参画を頂きながら、専門家の意見も踏まえるなど慎重に検討を重ねるなど順序を踏んで進めてきた」「住民投票により計画を中断する必要はない」との反対意見を付けた条例案を市議会12月定例会に提出した。

 この日は採決に先立って討論があり、前田佳世議員と久保浩二議員(いずれも共産)が「住民投票で市民の意見を聞くべきだ」などと賛成。一方、陸平輝昭議員(無)は「議会でも真摯(しんし)かつ慎重に議論を進めてきた」などと反対意見を述べた。

 閉会後、市民団体は「住民投票に反対したことは、主権者市民の市政への直接参加を否定したことに他ならない」などとする声明を出した。

■12月市議会が閉会

 田辺市議会12月定例会が21日、閉会した。この日までに、真砂市長と副市長2人、教育長の給与を減額する条例改正案や2020年度一般会計補正予算案(補正後568億4118万円)など58議案を可決、認定するなどした。

 市長らの減額は、市職員(懲戒免職)による着服問題を受けたもの。来年1月から2カ月、減給10分の1とする。

 新庁舎整備関連では、既存商業施設の解体1期工事の工事請負契約締結案を賛成多数で可決した。

 人事案件では、人権擁護委員に平谷豊子さん(71)=下万呂=、中田智津子さん(73)=秋津町=、森昌子さん(57)=中辺路町野中=、能城美子さん(58)=中辺路町西谷=を推薦することを決めた。

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