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カワウ430羽が元島で越冬 過去最多、神島への飛来警戒

夕方、元島に集まったカワウ(和歌山県田辺市目良で)
夕方、元島に集まったカワウ(和歌山県田辺市目良で)
 吉野熊野国立公園内の元島(和歌山県田辺市目良)で、430羽のカワウが越冬している。7年前から日本野鳥の会県支部会員がねぐらの定点調査をしており、過去最高という。4キロほど離れた田辺湾にある国の天然記念物「神島」は、かつてふん害に遭ったことがあり、田辺市教育委員会と市文化財審議会は警戒を強めている。


 カワウが元島をねぐらに使い始めたのは2013年から。県支部会員によると冬の調査では、13年は272羽だったが、16年に348羽と激増。17年は222羽だったが18年は390羽、19年は369羽と高止まりしている。

 5年前までは繁殖地としても利用していたが、カラスに卵を食べられるなど邪魔をされたため、その後は全く繁殖していない。今年も繁殖はしなかったが、越冬のねぐらとして使っている。

 しばらくまとまった雨が降らないと、元島の東側斜面はカワウのふんで雪が降ったように真っ白になる。カワウは日の出前に餌場に飛び出し、夕方になると元島の周辺に集まってくる。

 神島のふん害は、1988年から数年間、カワウの大群がねぐらとして使ったため起こった。大量のふんが積もり、森の一部が荒廃した。その後も断続的にふん害は続き、営巣も確認された。2009年から市教委と市文化財審議会がテグス糸を張るようにしてから、ねぐらとして使われていない。

 審議会委員の玉井済夫さんは「状況を見ながらになるが、テグス糸を補強するなど対策を考えたい」と話している。

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