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綿を紡いでストールなど製品化 龍神村の菅野さん

綿繰り機の実演をする菅野あゆみさん(和歌山県田辺市南新町のユリイスで)
綿繰り機の実演をする菅野あゆみさん(和歌山県田辺市南新町のユリイスで)
 和歌山県田辺市龍神村西の手紡ぎ・手織り作家、菅野あゆみさん(44)は、印南町などで収穫された綿を紡いで糸にし、機織り機でストール(肩掛け)などを作って販売している。

 18年前に大阪府からIターンしてきた。当初は家庭菜園で野菜などを栽培していたが、ある時に知人から種をもらったのがきっかけで綿の栽培を始めた。その後、糸にして手で織って衣類を作ろうと、本を読んだり人から教えてもらったりして創作に取り組んできたという。

 主に無農薬栽培された綿を使う。自宅には綿の種を取る「綿繰り機」、綿の繊維によりをかけて糸にする「糸車」、織物にする「機織り機」をそろえ、「自然素材で肌に触れる物を作りたい」という十数年前からの思いを実現している。

 菅野さんが手掛けるストールは、長さが1・6メートル、幅25センチ。2日で1枚程度を作るが、綿の種取りや糸紡ぎなど並行して作業を進めており大量生産はできない。

 菅野さんは、製品がどんな素材でできているのか、どこでどんなふうに作られたのかについて強い関心があり、それが見える物作りをこれからもしていきたいという。また、藍染め作家と協力した作品も生み出しており「楽しいし創作の幅も広がる」と話している。

 菅野さんは「新型コロナウイルス感染拡大の影響で先が見えにくい状況だが、マイペースで作品に取り組んでいきたい。個人だけでは作品はできないので、人とのつながりに感謝し大切にしていきたい」と話している。

 作品は、龍神村福井の「ジー・ワークス」で販売している。百貨店の催事に出展することもある。

 17日まで、田辺市南新町のギャラリー「ユリイス」で、ストールなどの作品を展示販売している。菅野さんが「綿繰り機」を使って種を取る実演もしている。

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