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ごみ不法投棄相次ぐ 田辺の山間部、悪質なら刑事罰も

昨年11月に約100キロの家庭ごみが捨てられていた道路沿いの谷(田辺市秋津川で)
昨年11月に約100キロの家庭ごみが捨てられていた道路沿いの谷(田辺市秋津川で)
 田辺市で家庭ごみなどの不法投棄が相次いでいる。山間部の道路沿いに多く、市環境課の担当者は「軽い気持ちで捨てる人も多いと思うが、悪質なものは罰則が科される場合がある。不法投棄は絶対にやめてほしい」と呼び掛けている。


 同課が把握した不法投棄の件数は2020年度に79件(前年度比13件増)。回収したごみは約5170キロ(同2240キロ増)に上った。過去5年間でみると、16年度の107件から17年度86件、18年度45件と減少傾向にあったが、19年度からは66件と増加に転じている。

 不法投棄を確認した場合、捨てた人を特定できれば指導した上で回収したごみを返却。ごみを処分していれば、処分にかかった費用を請求している。廃棄物処理法により不法投棄は5年以下の懲役や1千万円以下の罰金が科される場合があり、悪質な事案は警察と連携して刑事責任を問うケースもあるという。

 しかし、不法投棄は一向に減らないのが現状だ。

 不法投棄を防止するために啓発やパトロールにも取り組んでいるが、昨年11月には同市秋津川の山間部で、大量の家庭ごみが捨てられているのが見つかった。県道田辺龍神線沿いにある谷に、布団やサンダル、ビニール袋に詰め込まれた空き缶など約100キロが投げ捨てられていた。

 市や田辺保健所、地元の秋津川町内会などが回収したが、元町内会長の山本幸生さん(70)は取材に対し「住民は自分たちで地域をきれいにしようと気を付けている。もし自分の家の前にごみが捨てられていたらどう思うか、考えてみてほしい」と憤る。

 山本さんによると、秋津川では過去にも大量のごみが捨てられていたケースが相次いでおり、道路沿いではポイ捨てされたごみもよく見掛けるという。

 4月から新たに町内会長となった北川佳子さん(61)は「自分たちの地域を守るため、住民がパトロールをしたり、防犯カメラを設置したりして、目を光らせるようにしている。ポイ捨ても、まとまったごみを捨てるのも同じこと。ごみは自己責任で適正に処分してほしい」と訴えている。

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