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サツマイモ使った発泡酒商品化 Iターンの中川さんが「龍神金熊」

「龍神金熊」を持つ中川政寿さん
「龍神金熊」を持つ中川政寿さん
 和歌山県田辺市龍神村小又川の農業、中川政寿さん(39)が龍神村の畑で育てたサツマイモを使った地ビール(発泡酒)「龍神金熊」を商品化。15日から、龍神村福井の道の駅「龍游館」にある「つぐみ食堂」のメニューに加わった。


 中川さんは2014年に家族でIターン。山道を走るトレイルランのランナーでガイドも務める。地域おこしのイベントにも関わるなど、地元の活性化を図りたいと活動している中川さんは、地ビールで龍神村をPRできないかと考え、奈良県東吉野村にあるビール工場「グットウルフ麦酒」を経営する友人の石井啓順さん(48)に相談。酒類販売業免許を取得し、自らが畑で栽培しているサツマイモ「ナルトキントキ」の醸造を同工場に委託した。

 商品名の「龍神金熊」の熊の文字は、中川さんの子どもの名前に使っていることと、熊の英語「ベア」がビールと発音が似ていることから付けた。ラベルのデザインは、龍神村小家のデザイナーで造形作家の溝端秀章さん(69)に依頼した。

 溝端さんはデザインを考えるに当たって、商品名を英字と漢字の両方を記し、漢字のデザインは中川さんのひげをあしらって跳ねたようにするなど、随所で工夫を凝らした。熊の絵には、トレイルランナーの中川さんをイメージしてランニング用パンツをはかせた。龍神村の山やそこにすむシカなどの動物も描いている。

 中川さんは、ビールが話題となって村に人が集まるようにしたいとの思いから、つぐみ食堂で飲んでもらうだけにして個人販売はしない方針。つぐみ食堂では、メニューとしての提供のみで持ち帰り用の販売はしていない。

 龍神金熊は、ビールの一種のエールビール。麦芽の使用率は80%と多いが、副原料のナルトキントキの量が多いため、酒税法の関係で品目は発泡酒と記載されている。滑らかで口当たりが良いのが特徴という。1瓶330ミリリットル、アルコール分6%で提供価格は1瓶650円(税込み)。

 中川さんは「やっと商品ができた。これからの時季にこのビールを飲んで味わってもらいたい。今後売れ続けていくように願っているし、龍神村に来た人に飲んでほしい」と話している。

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