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白浜でも道普請できます 町が世界遺産の富田坂、仏坂アピール

世界遺産・富田坂で道普請に汗を流す「クオリティソフト」の社員ら=和歌山県白浜町富田で
世界遺産・富田坂で道普請に汗を流す「クオリティソフト」の社員ら=和歌山県白浜町富田で
 和歌山県白浜町は、町内にある世界遺産・熊野古道大辺路の富田坂や仏坂で維持・修復活動(道普請)ができることを企業にPRしようと考えている。


 企業進出が相次いだこともあり、コロナ禍の前は特に、町には企業や団体からの視察が多くあった。仕事と休暇を合わせたワーケーションの場としても注目度は高い。町によると、中には道普請を希望する企業があったが、県世界遺産センター(田辺市本宮町)に引き継いでいた。こうした現状を踏まえ、白浜町で道普請ができることを新たな魅力にしたいという。

 町教委によると、道普請は中辺路ルートが中心で、富田坂や仏坂では、地元住民らによる清掃やウオークイベントの一環としての道普請がある程度。一方、イノシシが餌を求めて石をひっくり返したり、流水で土が流されたりする〝被害〟は少なくない。担当者は「世界遺産を直接守り、伝えていく作業が道普請で、なかなかできない体験。歴史を知ってもらう機会にもなるはず」と意義を話す。

 7日には、町の呼び掛けに応じたIT関連企業「クオリティソフト」(白浜町中)の社員9人が、富田坂で道普請を体験した。同社の社員は年間業務時間のうち48時間をボランティアなどに充てており、この取り組みを使った。

 社員は約1時間半の活動で、落ち葉を集めたり、水路にたまった土砂を取り除いたりした。社内ではデスクワークという小倉康郎さん(37)は「普段あまり体を動かせていないこともあって参加した。古道がきれいになっていくのは気持ちがいい」と笑顔で話した。

 町総務課の滝本斉さん(37)は「今後は県とも連携して『白浜で道普請』を売り出したい」と話している。仏坂での実施も検討するという。

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