和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

食事と買い物楽しんで ぼたん荘が地域貢献プラン

車から降りて買い物に向かうお年寄り(和歌山県串本町串本で)
車から降りて買い物に向かうお年寄り(和歌山県串本町串本で)
ぼたん荘で食事を楽しむ参加者(和歌山県古座川町月野瀬で)
ぼたん荘で食事を楽しむ参加者(和歌山県古座川町月野瀬で)
 和歌山県古座川町月野瀬にある南紀月の瀬温泉「ぼたん荘」が地域貢献事業として、町内在住の高齢者らを対象に同施設で食事をしたり、市街地にある商業施設で買い物したりする送迎付きの「お買い物支援プラン」を始めた。同町の奥地にある平井地区のお年寄り15人が23日、モニターとしてこのプランを利用。食事や買い物を楽しみ「何回でも参加したい」と笑顔を見せた。


 ぼたん荘は町が整備した施設。宿泊や温泉入浴、食事などができ、指定管理者として「古座川ふるさと振興公社」が運営している。

 同施設では年に一度、町内の65歳以上の高齢者を対象に無料入浴回数券(最大12枚)を配布。ただ、利用が少ないのが現状で、免許証の返納などで車の運転ができない人が多く「行きたいけど足がない」といった声が寄せられているという。

 さらに買い物も不便なため「手に取って自分の目で見て買い物をしたい」という声も多いことから、車で送迎し、施設で食事をした後、買い物を楽しんでもらうプランを企画。買い物に直行して弁当を持ち帰ってもらうコースや、食事をした後に温泉に入るなどしてゆっくりと過ごしてもらうコースなども用意。料金は1人1500円(税込み)で、5人以上から対応するという。

 この日、プランを体験した最年長の前田久枝さん(94)は「食事はおいしいし、めったに出て行かないので買い物も楽しみ。何回でもいいぐらい」と笑顔。最年少という羽山敬子さん(73)も「私は運転するが、車に乗らない人ばかりで、バスで出掛けても荷物が大変。みんなすごく楽しみにしていた」と話していた。

 町集落支援員でぼたん荘職員の太田浩二さん(43)は「単体で利益が生まれるような事業ではないが、地域貢献や福祉の観点から、非常に大切だと考えて始めることにした。定期的にご利用いただき、ぼたん荘が皆さんが集って交流する場所になっていければ。ご意見を聞きながら、より良いプランにしていきたい」と意気込んでいる。

 問い合わせは、ぼたん荘(0735・72・0376)へ。

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