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長期滞在で創作活動 ホテル川久が芸術家に拠点提供

芸術家が滞在しているホテル川久(和歌山県白浜町で)
芸術家が滞在しているホテル川久(和歌山県白浜町で)
ホテル内の一室で創作活動に励む芸術家
ホテル内の一室で創作活動に励む芸術家
 和歌山県白浜町の「ホテル川久」内にある私設美術館「川久ミュージアム」は、芸術家にホテル滞在と制作拠点、発表の場を提供する「アーティスト・イン・レジデンス(AIR)」を始めた。芸術家6人が9日から滞在し、創作活動をしながら、芸術家同士で交流している。滞在中に制作した作品は6月に展示する。


 川久ミュージアムは、国内屈指の「泊まれる美術館」として2020年に開業し、観光拠点にもなっている。ホテル自体が世界各国の芸術家や職人の技術を融合させた「夢の城」。作り手の力を最大限に発揮できる場として提供し、川久の文化性を次世代に継承しようとAIRを始めた。

 芸術家6人は制作期間中(9~30日)、無償で滞在(2食付き)できる。全員が白浜町は初めてで、周辺の観光地や農園、南方熊楠関連のスポットを見学した。芸術家によっては漁船で無人島に渡ったり、廃品を集めたり。それぞれの手法で、新作を制作している。

 ミュージアムのプロデューサー、陳暁(ちんしょう)夏代さんは「非日常の空間で、創造性を高めるのが狙い。芸術家同士の交流も活発で、芸術の新たな拠点として広まればいい」と期待する。初めての試みにもかかわらず、定員の10倍、60人以上の応募があるなど、芸術家の注目度は高い。毎年5~6月に開催して定着させたいという。

 AIRには地域振興の狙いもある。「白浜町では5月の大型連休後から6月が閑散期。ホテルの空室を有効に使え、アートの力で集客も図れる」。昨秋、白浜町と田辺市であった現代アートの祭典「紀南アートウイーク」で、川久ミュージアムも会場となったが、通常時の3倍の来場があったという。


■6月に企画展

 ホテルでは、6月1~30日に企画展を開く。テーマは「実存する夢」。滞在中の6人の芸術家のほか、芸術の専門家から推薦された4人も出展する。紀南アートウイークの特別展示もある。開館時間は午前10時半~午後6時。観覧料千円。


 【アーティスト・イン・レジデンス】芸術家がいつもと異なる場所に長期滞在し、さまざまな交流をする事業。芸術家を招き、一定期間にわたり活動の場を提供する取り組みは、近世の欧州が起源とされている。日本での歴史は浅いが、地域創生や国際交流などを目指し、各地で行われている。

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