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農業の大切さ実感 小中学生が学習成果発表

地域の農業について学んだことを発表する長野小学校の児童(和歌山県田辺市役所で)
地域の農業について学んだことを発表する長野小学校の児童(和歌山県田辺市役所で)
 和歌山県田辺市教育委員会はこのほど、農業について学んだ市内小中学生の発表会を市役所で開いた。市が創設した「農業みらい基金」を活用した事業が来年度からスタートするのを前に、モデル校として先行的に取り組んだ4校が参加。収穫体験などを通して実感した農業の大切さを伝えた。


 「産直市場よってって」を運営する「プラス」(田辺市宝来町)の野田忠会長とその家族が昨年12月、農業振興や農業教育に役立ててほしいと市に計1億円を寄付。市も別途1億円を積み立て、基金を創設した。

 市は本年度に基金の具体的な活用方法を検討しており、来年度から運用を始める方針。農業教育は市内の全小中学校で取り組む予定という。

 本年度、モデル校として活動したのは小学校6校、中学校5校の計11校。このうち、長野小と稲成小、中芳養中と衣笠中の計4校が発表会に参加した。

 長野小の児童は、地域発祥の「古城(ごじろ)梅」をはじめ梅栽培の歴史について学んだことや、農家に教わりながら収穫体験をしたことを発表。「おいしい梅を作るために頑張る農家さんの努力を覚えておきたい」「田辺市の梅を全国の人に食べてもらいたい」と語った。

 梅の収穫からジャムへの加工、販売までを手がける6次産業化を体験するなど、社会との関わりを考えるキャリア教育と関連させた実践例もあった。

 会場で聞き入った野田会長は「発表を聞いて本当に感激した。農業人口が減少する中で、何とか農家を応援したいと直売所を20年間運営してきた。和歌山県には素晴らしい農産物がある。これからも頑張って学んでほしい」と励ました。

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