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パートナーシップ制度導入へ 那智勝浦町

集めた署名を堀順一郎町長(右から2人目)に手渡す丸山都さん(右端)ら「レインボーフェスタ」実行委員会のメンバー=和歌山県那智勝浦町役場で(福田萌夏さん提供)
集めた署名を堀順一郎町長(右から2人目)に手渡す丸山都さん(右端)ら「レインボーフェスタ」実行委員会のメンバー=和歌山県那智勝浦町役場で(福田萌夏さん提供)
 和歌山県那智勝浦町は、性的少数者のカップルやその家族を公的に認める制度を近く導入する。性的少数者の権利を求める啓発イベントを町内で開いてきた実行委員会は喜んでいる。

 町が導入するのは、パートナーシップ制度とファミリーシップ制度。町内在住か町への転入を予定していることなどが要件になる。法的な効果はないが、すでに要綱案は作っており、いまは詳細を詰めている。届け出があった場合、町は要件を満たすかどうかを確認した上で、町長名で宣誓証明書を出す流れになる。

 同様の制度を設けるのは、紀南では初めて。

 大きなきっかけは、イベント「レインボーフェスタ」を主催する実行委員会が集めた署名。直筆の1706人分とオンラインで募った1万92筆をこのほど、町に提出した。

 署名を受け取った堀順一郎町長は、取材に「制度を設けることで、悩み苦しむ人がいなくなればいい。お互いを認め合おうという精神は、(社会的身分や性別など)分け隔てなく人々を受け入れてきた熊野の地に住む者の使命だと考えた」と話した。2020年3月に性的少数者を招いた町内での講演を聴き「当事者はこれほど大変なのか」と感じたという。

 実行委員会の代表を務める町内在住の丸山都さん(33)は、町が制度を導入する方針を決めたことについて「びっくりが大きい」と話す。自身は女性の体に生まれ、男性として生きる当事者。「制度ができて、それを使うかどうかではなく、制度があること自体が大きい。当事者にとってみれば暮らす上での安心感につながるし、そんな制度がある町ってすてきだねと思ってもらえるはず」と期待している。

 県内では、橋本市が22年10月にパートナーシップ制度の運用を始めた。市によると、12月27日現在で3件の届け出があった。


■性的少数者

 同性愛者や両性愛者、自認する性と出生時の性が異なる人、自身の性についてはっきり定義していない人らの総称。それぞれの英単語の頭文字を並べて「LGBTQ」と呼ばれている。

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