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鈴なりのキンカン収穫 みなべ町、3月中旬まで続く

黄色く色づいたキンカンを収穫する農家(和歌山県みなべ町晩稲で)
黄色く色づいたキンカンを収穫する農家(和歌山県みなべ町晩稲で)
 和歌山県みなべ町の岩代地域や上南部地域で、キンカンの収穫が続いている。今季の収穫量は昨季に比べると少ない所もあるが、品質は良いという。3月中旬まで続く。


 両地域で、10軒近くの農家がキンカンを特産の梅との複合経営で栽培している。今季は1月中旬から収穫が始まり、県内外の小売店や加工業者に販売したり、市場や農作物直売所に出荷したりしている。インターネットを使った通販をしている農家もある。

 晩稲の小川豪さん(43)はキンカンが主体で、約60アールで栽培している。畑は、一帯に広がる梅畑そばの斜面にあり、今季の収穫は1月中旬から始まった。家族4人で雨の日以外は毎日、朝から収穫し、午後に選果と袋詰めをして農産物直売所に出荷している。

 収穫量は一昨年、昨年と続いて多かったが、今季はそれより少ないという。小川さんは「豊作になると次の年は少なくなることが多い。木も休みたいでしょうから。でも、傷も少なく、品質はいつも通り良い」と話す。

 小川さん方では3代前からキンカンを栽培しており、樹齢100年の木もあるという。樹勢が衰えれば、木を植え替え栽培面積を維持している。鳥などによる食害を防ぐため、畑全体をネットで囲まなければならず、かんきつ類の中では実が小さく1本の木になる数が多いことから収穫などの作業も大変だが、小川さんは「価格が安定しているのが良い。代々引き継いできたキンカンをこれからも大事に育てたい」と笑顔で語る。

 キンカンは、生でまるごと口に入れ、種を出して食べるのが一般的だが、甘露煮やシロップ、ジャムなどに加工して食べるのも人気がある。

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