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和歌山-千葉を9日間で走破 視覚障害者も乗れる「タンデム自転車」知って

応援に駆け付けた人たちに見送られ、出発するメンバー(和歌山県上富田町朝来で)
応援に駆け付けた人たちに見送られ、出発するメンバー(和歌山県上富田町朝来で)
 和歌山市と千葉県銚子市の海沿いを結ぶ太平洋岸自転車道(PCR)の約1100キロを、有志グループが二人乗り(タンデム)自転車で4月29日から5月7日までの9日間で走破した。6日には、和歌山県すさみ町から御坊市までの約100キロを走行した。

 グループは、日本パラサイクリング連盟(福島県いわき市)大阪支部代表の小山結美さん(37)=大阪府箕面市=や、和歌山市職員の西林孝紘さん(38)=かつらぎ町=らがメンバー。企画には2台を使った。

 タンデム自転車は、サドルとペダルが二つずつあり、2人が力を合わせてこぐ。ハンドルとブレーキの操作は前に乗る人が担う。「障害がある人でも乗れる乗り物なのに、あまり知られていない」として、その認知度を高めようとPCRの走破を企画した。

 4月29日に銚子市を出発し、1日につき約100~160キロを走った。各県では、障害がある10人ほどが交代しながら後ろの席に乗って走った。

 6日は、すさみ町周参見を出発。主に国道42号を通って北上した。昼食を取るポイントにした上富田町朝来のサイクルステーション「クミッチ」ではタンデム自転車の試乗もあり、応援に駆け付けた人たちが乗り心地を体感した。

 県内を走行した時は、2人の視覚障害者が乗った。大阪府立視覚支援学校の教員、小林宏美さん(38)=大阪市=は「海の音や潮のにおいを感じられて気持ちよかった」と笑顔をみせ、会社員の広岡愛子さん(43)=神戸市=は「移動で使った(自転車を解体せず電車へ持ち込めるJR西日本の)サイクルトレインには驚いた」と話した。

 期間中、ずっと前の席に乗っていた小山さんは「和歌山では追い風に背中を押され、最高の気分だった。障害がある方とも一緒に走ったことで、安全性もPRできる」と話した。すさみ町で今秋に開かれる予定のサイクリングイベントには、タンデム自転車で参加したいという。

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