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「離島で停電」想定し訓練 串本海保と関電送配電、巡視艇で資機材輸送

復旧作業に必要な機材を巡視艇に積み込む乗組員ら(8日、和歌山県串本町串本で)
復旧作業に必要な機材を巡視艇に積み込む乗組員ら(8日、和歌山県串本町串本で)
 串本海上保安署(和歌山県串本町)と関西電力送配電和歌山支社(和歌山市)は8日、串本町の紀伊大島で停電が発生したと想定した訓練を実施した。復旧に必要な資機材を海保の巡視艇に積み込んだり、降ろしたりして対応を確認した。

 同署が所属する第5管区海上保安本部と、関西電力、関西電力送配電は2021年6月、離島や沿岸部での災害時に連携を取る文書を取り交わしている。その後、21年8月に兵庫県姫路市の離島・坊勢島で台風により島の一部で停電が発生し、海保が巡視艇を出して復旧に必要な機材などを輸送したこともある。

 第5管区海上保安本部管内では定期的に訓練をしているが、同署管内では今回が初めて。この日は大雨で木が倒れて電線が切れ、島内全域で停電が発生。関西電力送配電が復旧に向かうが、土砂災害で道路が寸断されている、との想定で訓練をした。

 串本町串本の巡視船艇基地に集まった関西電力送配電和歌山支社の社員5人は、巡視艇「むろづき」の乗組員らと連携し、復旧作業に必要な電線や工具、変圧器など約180キロの資機材を船に積み込んだ。その後、約20分かけて同町大島の大島港に着岸した。巡視船艇基地に戻った後も資機材を協力して船から降ろした。

 作業責任者として訓練に参加した関西電力送配電和歌山支社新宮配電営業所(新宮市野田)の山本恭平作業長(35)は「日頃、海上保安庁と連携する機会がないので、良い機会になった。停電が発生した際に迅速、安全に作業ができるよう、今回のような訓練を継続していきたい」と話した。

 串本海上保安署の登山愼一郎署長(56)は「それぞれの持ち場で協力し合いながらできたのが良かった」と講評した。

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