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児童虐待相談、初の2千件超 和歌山県で22年度、7年連続最多更新

和歌山県児童相談所への児童虐待相談件数
和歌山県児童相談所への児童虐待相談件数
 和歌山県は22日、2022年度中、県内にある二つの児童相談所に2066件の児童虐待相談が寄せられたと発表した。初めて2千件を超え、7年連続で最多を更新した。県は「虐待の疑いがあれば通告する義務があることについて県民の認識が深まってきたためではないか」としている。


 紀南児童相談所(田辺市)への相談は327件で、前年度比で9件(2・7%)減ったが、中央相談所(和歌山市)へは1739件あり前年度より283件(19・4%)増えた。

 県は1990年度から調査している。増加傾向が続いており、2001年度に200件、10年度に600件、11年度に700件、14年度に900件を超えた。15年度はやや減少したが、16年度には千件を超え、以降毎年増えている。

 虐待の種別で最も多いのは、言葉による脅しなどの「心理的」で1175件。前年度より230件増加し、全体の半数以上を占めている。中でも、夫婦げんかなどにより、子どもの前で怒鳴り合ったり暴力を振るったりする「面前DV」が多いという。

 殴る蹴るなどの「身体的」は438件(前年度比36件減)。食事を与えない、車の中に放置する、ひどく不潔にするといった「ネグレクト」は426件(80件増)、「性的」は27件(増減なし)だった。

 虐待を受けた子どもは小学生が650人、3歳以上の未就学児が482人、中学生が380人、3歳未満が337人、高校生などが217人だった。

 虐待者は実母が1051件で全体の半数を占めた。次いで実父の831件、実父以外の父親78件、実母以外の母親6件などだった。

 市町村への児童虐待相談件数も過去最多の2042件で、初めて2千件を超えた。増加傾向が続いていて、前年度比では167件増えた。

 県は「虐待の疑いがあれば、深刻化する前に、ためらわず、近くの児童相談所や市町村に相談してほしい。保育所や学校などと連携を深め、児童虐待防止や早期発見に努めたい」としている。

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