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【動画】和歌山と三重結ぶ「大橋」連結 24年秋開通「新宮紀宝道路」、一足先に子どもたち体験

 和歌山県新宮市と三重県紀宝町を結び、紀伊半島を一周する高速道路の一部となる「新宮紀宝道路」(延長2・4キロ)のうち、県境の熊野川に架かる「熊野川河口大橋」(延長821メートル)がつながった。2024年秋の開通を目指し工事を進める国土交通省の紀南河川国道事務所(田辺市)は26日、この橋を会場に体験学習会を開催。地元の子どもたちが中央分離帯となる鉄筋を組み立てるなど貴重な体験をした。


 同事務所によると、新宮市あけぼの―紀宝町神内を結ぶ新宮紀宝道路は17年度に工事に着手。熊野川河口大橋は両サイドに橋台、その間に六つの橋脚があり、橋脚を起点として橋を左右に伸ばしていく「張出し架設」という工法で整備を進め、今年2月に連結できたという。

 今回の体験学習会は熊野川河口大橋がつながったことを地元の人たちに知ってもらうとともに、なり手不足が叫ばれる土木建設の仕事にも興味を持ってほしいと開催。新宮市王子ケ浜小学校6年生と紀宝町鵜殿小学校5年生の計約100人のほか、新翔高校(新宮市)で建設技術を学んでいる2、3年生12人が参加した。

 工事現場を訪れた子どもたちは幅員約12メートルの橋の上を歩き、同事務所の職員らに教わりながら中央分離帯を造るために鉄筋を組み立てる作業に挑戦した。高校生はさらに鉄筋の間隔が正しいか点検し、コンクリートを打設するための型枠を設置。小学生については四つのグループに分かれ、高所作業車で橋を間近に見る体験をしたり、津波避難訓練に取り組んだりした。

 参加した王子ケ浜小6年生の堀部理愛菜さん(12)は「すごい橋だと思うし、自分が組み立てた鉄筋がずっと残るのはうれしい。開通が楽しみ」。新翔高2年生の佐藤千佳さん(16)も「めったにできない体験をして、もっとこの仕事に興味が湧いた」と笑顔を見せた。

 同事務所の渡邉泰伴事務所長(55)は「自動車しか通れない道路だが、この機会なら橋の上を歩くこともできるので、そういう体験をぜひともしてほしいと企画した。子どもたちがうれしそうでやりがいがあったし、一日でも早く、皆さんの笑顔が道路が通ることによってさらに広がることを願い、一生懸命頑張っていきたい」と話していた。
来年秋の開通に向けて工事が進む「新宮紀宝道路」で、県境に架かる熊野川河口大橋(紀南河川国道事務所提供)
来年秋の開通に向けて工事が進む「新宮紀宝道路」で、県境に架かる熊野川河口大橋(紀南河川国道事務所提供)
熊野川河口大橋で開かれた体験学習会に参加し、県境で記念撮影をする子どもら(26日、和歌山県新宮市で)
熊野川河口大橋で開かれた体験学習会に参加し、県境で記念撮影をする子どもら(26日、和歌山県新宮市で)
地図 熊野川河口大橋
地図 熊野川河口大橋
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