和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

いじめ認知3年前の2.3倍 和歌山県、小学校低学年で2187件

 昨年度の和歌山県内公立小学校のいじめ認知件数は5329件で、3年連続で過去最多を更新したことが文部科学省の調査で分かった。中でも低学年(1、2年生)は2187件と多く、3年前の2・3倍に急増した。これについて県教育委員会は「早期発見・対応のため、軽微なものでも積極的に含めた結果」とみている。

 文科省が毎年実施している調査で、県教委が17日、県内公立学校分を公表した。小学校での昨年度いじめ認知件数は5329件(千人当たり117・4件)。近年、増加傾向にあり、15年度は2345件(49・6件)だったが、16年度は3305件(71・4件)、17年度は3875件(84・8件)に増え、昨年度はさらに1454件増加。16年度から3年連続で過去最多を更新した。

 このうち、小学1年生は15年度は396件だったが、16年度726件、17年度938件、昨年度は1126件に。2年生は15年度が574件、16年度705件、17年度901件、昨年度1061件となり、大幅に増えている。

 小学校では「冷やかしやからかい、悪口や嫌なことを言われた」「仲間外れ、集団による無視をされた」「軽くぶつかられたり遊ぶふりをしてたたかれたりした」が多かった。

 一方、中学校は前年度より89件多い377件(千人当たり17・2件)、高校は9件少ない118件(5・1件)、特別支援学校は増減なしの10件(7・1件)だった。

 県教委によると、いじめの早期発見・対応のため、県内全ての公立学校で児童生徒への「いじめアンケート」を実施。軽微なものでも積極的に認めて、発展する前に組織的に対応するようにしている。認知からおおむね3カ月後に子どもと保護者が「解消した」と認めた「いじめ解消率」(国立、私立を含む)は96・4%で、2年連続全国1位という。

 県教委は「今後もいじめがあれば迅速に認知し、組織的に対応するとともに、道徳教育を充実させて、防止を図りたい」としている。

■全国2番目の多さ 中学校の暴力行為

 暴力行為は中学校が前年度より42件多い393件で、千人当たりの発生件数は17・9件だった。国立と私立を含めても16・2件(全国8・9件)で、全国で2番目に多かった。

 対教師が62件で前年度より1・7倍(26件)と大きく増えたほか、同校生徒間も前年度比28件増え、219件となった。器物破損は9件減の104件、教師や同校生徒以外の「対人」は3件減の8件だった。

 県教委は「特定の生徒が感情をコントロールできず、繰り返したため」と分析し、課題がある中学校に、県警OBによる「学校支援サポーター」を派遣しているという。

 小学校の暴力行為は117件で前年度比25件減、高校は52件で20件減だった。

 また、不登校は小学校と中学校で増えた。小学校は262人で前年度比44人増。主に中学年で増加したという。

 中学校は751人で47人増。高校は397人で22人減少した。不登校の理由はいずれも友人関係の問題、学業の不振などという。
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