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「文書開示を」田辺市に答申 諮問機関、紀州のドン・ファンの遺産や市庁舎移転で

田辺市役所
田辺市役所
 複数の公文書の開示請求に対し、その多くを和歌山県田辺市が不開示としたことを不服として、「市民オンブズマンわかやま」事務局長の畑中正好さん(71)=田辺市天神崎=が市に審査を請求していた件で、市の諮問機関である情報公開・個人情報保護審査会が、一部について「開示すべき」とする答申をまとめたことが分かった。19日付。

 市は「審査会の答申を尊重して適切に対応したい。(手続きは)速やかに進めたい」としている。

 審査会は、畑中さんが2020年9月~21年10月に請求した3件を審査した。畑中さんは19年12月~20年5月に「紀州のドン・ファン」と呼ばれた故・野崎幸助さんの遺産や市庁舎の移転に関する文書の開示を求めたが、市は大部分を不開示としていた。

 答申で「開示すべき」としたのは、野崎さんの遺産に関する報道機関向けの資料や、市が委任する弁護士の氏名、市庁舎の移転先となった「オークワ」との協議記録の一部など。

 審査会は「報道機関は文書(資料)の内容に基づいて記事を作成し、現在でも閲覧可能な状態」「法人(オークワ)の事業運営が損なわれると認められる情報とまではいえない」などとした。

 報道向け資料は、市は畑中さんにいったん開示した後に大部分を隠して開示したという経緯があった。

 畑中さんは「大部分を不開示とした市の決定よりも開示すべきだとする部分を大幅に広げており、市の『情報隠し』の姿勢があらわになったといえるだろう。早急に開示されることを望む」と話している。

 審査会は弁護士ら3人で構成する。今回は、請求の対象となった文書を委員が直接確認する「インカメラ審理」を採用した。

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