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秋以降の再開に向け協議 休止中の「安居の渡し」、世界遺産・熊野古道大辺路

熊野古道・大辺路で唯一、川舟で川を渡る「安居の渡し」(昨年7月、和歌山県白浜町安居で)
熊野古道・大辺路で唯一、川舟で川を渡る「安居の渡し」(昨年7月、和歌山県白浜町安居で)
 船頭の高齢化や資金難などを理由に1月から休止している世界遺産・熊野古道大辺路の「安居の渡し」(和歌山県白浜町安居)について、秋以降に再開できないか関係者で協議していることが分かった。

 船頭7人でつくる「安居の渡し保存会」によると、土日曜、祝日の運航や補助金などの支援を条件に再開する提案が、町からあったという。

 保存会の生本洋三会長(73)は「会員の平均年齢は70歳ぐらいで、体力的に厳しいが、補助金があり、土日、祝日の運航なら大丈夫と思う。会員は全員、再開を前向きに考えている」と話している。

 「安居の渡し」は、「富田坂」と「仏坂」の間にある日置川を川舟で渡る熊野古道。大辺路で唯一、川舟で川を渡る。

 旅人や住民が利用していたが、1950年ごろから利用者が減り、その後、途絶えた。2005年10月に地元有志が「安居の渡し保存会」を結成して復活。会員が交代で船頭を務めていた。

 現在は休止しているが、同町日置川地域を拠点に子どもらの教育旅行を受け入れている南紀州交流公社(白浜町安居)から運航依頼があれば、地域貢献活動として応えている。

 休止を受け、熊野古道のガイドは「富田坂」と「仏坂」をつなぐルートがなくなることから、頭を抱えていた。

 再開の話を聞いた、世界遺産マスターで大辺路をガイドしている築山省仁さん(68)=白浜町=は「来年は熊野古道の世界遺産登録20周年なので、復活してもらえると大変うれしい。大辺路をたくさんの人に歩いてもらいたいと思っているが、安居の渡しがあるのとないのとでは全く違う」と喜んでいる。

 井澗誠町長は「安居の渡しは、富田坂と仏坂をつなぐ重要な場所であり、日置川地域のみならず町にとっても大切な観光資源の一つ。安居の渡し保存会が活動を再開できるよう、日置川観光協会と連携した支援(補助金)を考えている。保存会の皆さんと引き続き活動再開に向けた協議を進めていきたい」と話している。
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