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誰もが幸福追求を 和歌山県、人権3施策を施行へ

人権施策充実の必要性を訴える岸本周平知事(29日、和歌山県庁で)
人権施策充実の必要性を訴える岸本周平知事(29日、和歌山県庁で)
 和歌山県は29日、幸福追求権を尊重する「障害者差別解消条例(仮称)」制定、「パートナーシップ宣誓制度」創設、「部落差別解消条例」一部改正の人権3施策を進める方針を発表した。骨子案を公開し、意見を募集する。岸本周平知事は会見で「もっと早く取り組んでおくべきだった」と強調し、本年度中の施行を目指す。


 障害者差別解消条例は、障害者差別解消法にある障害を理由とする不当な差別的な扱いを禁止し、事業者には車いす利用者のために段差に携帯スロープを架けることや筆談、読み上げ、手話などによるコミュニケーションといった合理的配慮の提供を義務づける。

 紛争の防止や解決を図ることができるよう、学識者や障害者団体による委員会を設けることなども盛り込みたいという。

 パートナーシップ宣誓制度は、一方または双方が性的少数者である2人が「パートナーシップ関係」にあると宣誓書を提出すれば、県が受領証を交付する。法的な効力はない。

 現状でも県営住宅への入居や県の医療機関で病状説明などを家族同様に受けることはできるが、十分周知されていないという。

 制度として打ち出すことで、周知の徹底を図る。特に窓口対応することになる市町村に問題意識を持ってもらう啓発効果も期待している。

 部落差別の解消の推進に関する条例の一部改正は、部落差別を行った県内事業者が、県からの勧告を受けても従わない場合は、事業者名などを公表することができると明記する。

 部落差別については、ネット上の悪質な書き込みが問題になっている。県も削除要請を頻繁にしているが、いろいろな壁があるという。不動産取引などでも悪質な事例の報告がある。

 岸本知事は「なぜ、今人権施策に取り組むのかというと、私が知事になったから。これまで障害者差別を禁止する条例がなかったのはおかしい。最速で提案した」と述べた。

 骨子案の閲覧と意見提出期間は9月1~30日。閲覧は県ホームページまたは県庁、各振興局でできる。意見は郵送、ファクス、電子メールで各担当課に提出する。

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