和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

【動画】トルコ艦遭難から133年 乗組員の冥福祈る、和歌山・串本で追悼式典

 和歌山県串本町樫野沖でトルコ軍艦エルトゥールル号が遭難して133年を迎えた16日、同町樫野の遭難慰霊碑前で追悼式典があった。コロナ禍前と同様に一般の参列者も参加し、犠牲者の冥福を祈った。


 エ号は1890年9月16日夜、台風に遭遇し樫野の「船甲羅(ふなごうら)」と呼ばれる岩礁に衝突。多数の乗組員が犠牲となったが、紀伊大島の島民が救助に尽力し、69人が助かった。このことが日本とトルコが強い友好関係で結ばれるきっかけになった。

 式典には来賓として、在日トルコ大使館のコルクット・ギュンゲン特命全権大使とハビブ・イゼット・ゾールオール武官、在名古屋トルコ総領事館のダムラ・ギュミュシュカヤ総領事、在和歌山トルコ名誉総領事館の島正博名誉総領事を招いた。地元からは田嶋勝正町長や町議、樫野区長らが参加した。一般参列者を含めて約100人が参列した。

 参列者全員で黙とうをささげ、両国の国歌を斉唱。その後、在日トルコ大使館の参事官がコーランを唱えた。

 式辞で田嶋町長は「大島島民が示した利他の精神を継承し、両国の友好の原点となった歴史を風化させることなく、『日ト友好の架け橋の町』として友好関係の一助となるよう尽力することを誓う」と述べた。

 ギュンゲン特命全権大使は、今年2月にトルコで発生した震災に触れ、「エルトゥールル号から始まった親密な助け合いが、まさに『あの日』のように行われているのを目撃した。助け合い、友情、信頼の関係が、今後もわれわれを導いていく」と述べた。

 この日、同町串本の無量寺が保管していたエ号乗組員を診断した医師の診断書の写しを、町に寄贈した。式典で東谷洞雲住職が診断書の入った化粧箱を田嶋町長に手渡した。

遭難慰霊碑に献花し、敬礼する在日トルコ大使館のハビブ・イゼット・ゾールオール武官(和歌山県串本町樫野で)
遭難慰霊碑に献花し、敬礼する在日トルコ大使館のハビブ・イゼット・ゾールオール武官(和歌山県串本町樫野で)
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