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変わる秋の「虫の声」 温暖化の影響か、和歌山

最近、鳴き声を聞く機会が増えたタイワンクツワムシ(上)と、個体数が減っているとみられるクツワムシ=和歌山県田辺市
最近、鳴き声を聞く機会が増えたタイワンクツワムシ(上)と、個体数が減っているとみられるクツワムシ=和歌山県田辺市
 近年、秋の夜に聞く虫の鳴き声が変化してきている。唱歌「虫の声」にも登場する定番のクツワムシが激減、「ガチャ、ガチャ…」という辺りに響く大きな鳴き声が減っている。和歌山県紀南地方では、代わるように南方系のタイワンクツワムシの声を聞くことが多くなった。

 クツワムシは体長5センチほどで体高も高くてずんぐりとした姿をしている。マメ植物のクズの葉を好んで食べるという。あまり開けた場所は好まず、マメ植物が繁茂する林縁の草むらなどに生息している。

 県立自然博物館(海南市)の学芸員によると、温暖化の影響もあり、生息環境の変化が個体数減少の一因と考えられる。また、移動能力が低いため、生息場所が開発されると個体数の回復が難しい種類でもあるという。

 一方、タイワンクツワムシは体長6センチ前後で細長い。「ギィッ、ギィッ、ギュルル…」などと鳴く。海岸や土手などクツワムシよりも乾燥した日当たりの良い暖かい場所を好む傾向にある。温暖化が生息しやすい状況をつくっている可能性がある。

 ただ、両種とも県全体では減少傾向にあり、県のレッドデータブックで準絶滅危惧に分類されている。

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