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【動画】落ちアユ狙う「せぎ漁」始まる せき造って網投げる、和歌山・田辺市の熊野川や支流で

 和歌山県田辺市本宮町などを流れる熊野川やその支流で、産卵のために川を下る「落ちアユ」を狙う伝統漁法「せぎ漁」が始まっている。本宮町川湯を流れる大塔川では25日、アユの群れをめがけて網を投げる地域住民の姿が見られた。10月中旬ごろからピークを迎えるという。

 せぎ漁は川に竹のくいを打って束にしたササを並べるなどしてせきを造り、それによって川を下ってくる落ちアユを足止めし、「小鷹網(こたかあみ)」という投網を使って捕まえる漁法。この漁ができるのは熊野川漁協の組合員のみで、期間は9月1日から12月25日まで。

 家族で民宿を営んでいる本宮町川湯の小渕昇さん(77)は、子どもの頃からこの漁を手伝い、30代から本格的に取り組んでいるというベテラン。今月中旬、仲間5人で協力し、川湯温泉街を流れる大塔川でせぎ漁を始める準備をした。

 アユの動きが活発になる時間帯を狙って川に出かけており、25日は正午ごろから約1時間半で、体長15~20センチほどのアユ約30匹を捕まえた。雨が降って川の水が少し増えるタイミングが一番良いという。

 小渕さんは「今年は全体的にアユが少なめだが、味はいつも通りおいしい。楽しみにしてくれているお客さんのためにも、体の動く限り頑張りたい」と話していた。

落ちアユを狙った「せぎ漁」で網を投げる小渕昇さん(25日、和歌山県田辺市本宮町で)
落ちアユを狙った「せぎ漁」で網を投げる小渕昇さん(25日、和歌山県田辺市本宮町で)
網にかかったアユ
網にかかったアユ
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