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大津波想定し実践訓練 和歌山県や市町、国が連携

訓練で、消防車庫内に開設された医療施設でDMAT隊員らの治療を受ける患者(2日、和歌山県白浜町の南紀白浜空港で)
訓練で、消防車庫内に開設された医療施設でDMAT隊員らの治療を受ける患者(2日、和歌山県白浜町の南紀白浜空港で)
 「世界津波の日」(11月5日)を前に和歌山県は2日、南海トラフ巨大地震を想定した本年度の「津波災害対応実践訓練」を実施した。県や関係市町、国など43機関と住民を含め約4600人が参加。近い将来予想される大規模地震や津波に備えた。

 串本町潮岬沖で、マグニチュード9・1の南海トラフ巨大地震が発生し、県内では震度5強~7の揺れを観測したと想定。県と田辺市、白浜町、すさみ町、串本町、那智勝浦町、自衛隊、国土交通省、海上保安庁、県警、県内の消防本部、通信会社などが参加した。

 田辺沖では海上保安庁などが漂流者を捜索して救助する訓練をしたり、南紀白浜空港では災害派遣医療チーム(DMAT)による広域搬送拠点臨時医療施設(SCU)の運営訓練をしたりした。田辺市や白浜町、すさみ町、串本町、那智勝浦町では住民や小学校などの避難訓練もあった。

 また、この日は同時に和歌山市の和歌山下津港をメイン会場に国土交通省や県など134機関による「大規模津波防災総合訓練」もあり、船から重機を陸揚げし、緊急車両を通行させるための道路啓開や、津波で浸水した地域を排水ポンプ車で緊急排水、負傷者を船からヘリコプターでつり上げて搬送する訓練などがあった。サテライト会場として、堺市や美浜町、すさみ町の3カ所でも実施された。

 11月5日の「世界津波の日」は江戸末期の安政南海地震で、浜口梧陵が稲むらに火に付けて住民を導き、津波から避難させた広川町の故事「稲むらの火」にちなみ、国連が2015年に制定した。当日も、県や市町村、国、学校や幼稚園、保育所、自主防災組織など約15万3千人が参加する「地震・津波避難訓練」などが予定されている。

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