和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

新たに「部長裁量」枠 和歌山県が予算編成方針を一新、政策的経費は15%減

和歌山県庁
和歌山県庁
 和歌山県の岸本周平知事は、来年度予算の編成方針をこれまでより大幅に変更すると発表した。部局ごとに、部長の裁量で組める予算枠「部局マネジメント枠」を新たに設ける。一方、歳出を抑えるため、既存事業の政策的経費を前年度比で一律15%削減し、この削減したうちの3分の1を重点施策に配分する。

 「部局マネジメント枠」は「義務的経費」と「投資的経費」を除いた「政策的経費」(補助事業など)を対象に、各部局が部長裁量で組むことができる予算枠。ただ、既存事業の優先度などを見直し、前年度の85%に収めなければならない。この枠の事業は、財政課や知事の査定は入らない。県が発表している「財政危機警報」を踏まえた歳出削減のほか、職員の生活と仕事のバランスが取れるよう、業務量を抑える狙いがある。

 これで浮いた予算のうち3分の1は、各部署が予算要求して獲得を狙う「重点施策推進枠」とする。この重点施策の事業については、あらかじめ成果指標を設定。事業終了後に執行状況や効果、効率性などを評価し、次年度の参考にする。

 これまでは、予算要求があった新規事業について、財政課や知事が査定。事業が積み上がっていく形だったが、来年度からは各部署の予算枠が明確になるため、制御が強く働くという。また、これまでも新政策や重点施策を除く経費について、前年度より5%削減してきたが、来年度は削減対象や削減割合を拡大させるという。

 岸本知事は「ここ数年、和歌山県の実力以上に公共事業をした結果、将来の借金の返済が膨大になっている」と指摘。その上で「古い事業が多くある。費用対効果が認められなかったり、惰性でやっていたりする事業などを整理する。いたずらに歳出カットをするものではない。試行錯誤しながら全く新しい予算編成をしたい」と話した。

 来年度重点施策については、共働き・共育て・こどもまんなか社会の推進▽成長産業の創出▽農林水産業、観光産業をはじめとする地域産業の強化▽人口減少下におけるまちづくり▽安全・安心で心豊かに暮らせる社会づくりの5項目を挙げている。

公式SNS!フォローしてね!
友だち追加

アクセスランキング

趣味・娯楽

読者チャンネル

新着リリース

紀伊民報からのお知らせ