和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

一から農業始めます 元野球選手の大前さんが梅とミカンで独立、和歌山

ミカン栽培の研修を終えた後、新規就農を目指す大前拓也さん(和歌山県田辺市上秋津で)
ミカン栽培の研修を終えた後、新規就農を目指す大前拓也さん(和歌山県田辺市上秋津で)
 野球の独立リーグで10年間プレーした和歌山県白浜町の大前拓也さん(29)が1年半の農業研修を終え、来年3月から梅とミカンの農家として独立する。一からのスタートになるが、新規就農者の支援制度も利用しながら少しずつ大きくしていきたいという。

 大前さんは白浜町富田中学校、田辺高校卒業。家庭の事情から高校野球は未経験で、20歳で硬式野球を始め、関西を中心とした独立リーグの計7球団でプレーした。

 関西独立リーグの球団で、田辺・西牟婁を拠点とする和歌山ファイティングバーズ(現和歌山ウェイブス)には2022年まで計4年間在籍した。給料が出なかったため、田辺市内の梅やミカンの農家でアルバイトをしていた。最初は生活のためだったが、アルバイトを通じて農業に魅力を感じたといい、選手を引退した後に就農しようと決めた。

 22年9月から新規就農者を育成、支援する県の制度を使って同市上秋津のミカン農家で修業し、農業経営の技術や知識を学んだ。「おいしくて売れるミカンを作り、効率良く経営していることを学んだ。自分もそうなりたい」。研修は最長で2年の期間があったが、市内の梅畑を貸してくれるという話が出たため独立を決意した。

 心配しているのは資金面だ。借りる予定の梅畑は栽培面積が少なく、多くの収入が見込めない上、農機具を収納したり農作業をしたりするための倉庫が必要になる。倉庫の建設には少なくとも300万円ほどの費用がかかるという。

 1人での船出となり「これまで出会った人に感謝して、野球や農業の経験を生かしたい」と大前さん。「放棄している畑があれば声をかけてもらえたら。いずれはミカンも栽培し、経営の規模が大きくなれば独立リーグの選手にもアルバイトに来てもらおうかな」と意欲的だ。
公式SNS!フォローしてね!
友だち追加

アクセスランキング

趣味・娯楽

読者チャンネル

新着リリース

紀伊民報からのお知らせ