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【動画】出でよ「三体月」! 伝説求めて観月会、和歌山・田辺市本宮町

 熊野地方に伝わる「三体月」の伝説にちなんだ観月会が4日深夜から5日未明にかけ、和歌山県田辺市本宮町であった。県内外から19人が参加。主催する熊野本宮観光協会によると三体月は現れなかったが、参加した人たちはロマンを楽しんでいた。

 観月会は旧暦の11月23日、山から昇る月が三つに見えるという伝説にちなんだ催し。熊野本宮観光協会と中辺路町観光協会が例年それぞれ参加者を募って開いてきたが、中辺路町観光協会では今回、関係者のみで開いた。

 第35回となる本宮町での観月会は、大日山(標高369メートル)の山頂近くで開催。霜が降りるほどの寒さの中、参加者は振る舞いの豚汁や温泉コーヒーで体を温めたり、星空を眺めて活動のピークを迎えた三大流星群の一つ「しぶんぎ座流星群」の流れ星を探したりしながら、月が現れるのを待った。この日の月の出は午前0時半ごろで、しばらくして東の山並みから姿を現した月が眼下に広がる雲海を照らすと、参加者からは神秘的な光景に歓声が上がった。

 堺市から参加した立命館大学4年の保木陸さん(22)は、大学の授業で三体月について教わり、興味が湧いたことで友人たちと参加。「初めて流れ星を見ることができて感動。月も三つに見えたような気がする。来て良かった」と笑顔を見せた。

 観光協会の名渕敬会長(59)は「寒い中でたくさんの方に参加していただき、本当にありがたい。きれいな月を見ることができて良かったし、皆さんの心の中では三体月が見えたのではないか。これからも40回、50回と続けていきたい」と話していた。

 次回の観月会は今年12月23日の予定という。

「幻の三体月観月会」で東の山並みから姿を現した月を見る参加者(5日午前0時51分、和歌山県田辺市本宮町で)
「幻の三体月観月会」で東の山並みから姿を現した月を見る参加者(5日午前0時51分、和歌山県田辺市本宮町で)
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