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15年ぶりに屋根をふき替え 熊野古道の名所「とがの木茶屋」、和歌山・田辺市

熊野古道の名所「とがの木茶屋」のかやぶき屋根をふき替える工事をする職人(和歌山県田辺市中辺路町で)
熊野古道の名所「とがの木茶屋」のかやぶき屋根をふき替える工事をする職人(和歌山県田辺市中辺路町で)
 和歌山県田辺市は、同市中辺路町野中の熊野古道沿いにある休憩所「とがの木茶屋」で、傷みが激しくなってきた、かやぶき屋根をふき替える工事を進めている。市によると、これまでも修繕はしてきたが、ふき替えは15年ぶり。工事に携わっている職人は「できるだけ長持ちするよう頑張りたい」と話している。

 熊野古道の継桜王子のすぐそばにある「とがの木茶屋」はもとは住民が営んでいたが、市が2008年4月から無償で借り受け、16年4月から住民団体「ちかの平安の郷推進協議会」に管理運営を委託。古道歩きで訪れた人たちのために開放している。

 市中辺路行政局によると、ふき替えは08年度以来で、事業費は約1100万円。工事は今月から始まり、「かやぶきの里」として知られる京都府南丹市美山町にある「美山茅葺(かやぶき)株式会社」が携わっている。

 同社によると、かやぶき屋根の表側は状態が良いので既存のかやをできるだけ使いながら新しいかやを差し込むという修繕にとどめるが、残る両側面と裏側は全てかやを取り除いて下地の竹を交換し、新しいかやをふく。使用するのは富士山や阿蘇山の周辺で採れたススキで、5キロほどの束を千ぐらい使う。職人3人が紀南地方に滞在しながら作業に取り組んでおり、2月末までには工事を終える予定という。

 同社の小林正之取締役(39)は「環境にもよるが、かやぶき屋根はだいたい15~20年でふき替えが必要になる。正面は日当たりが良くて状態も良いが、木が覆いかぶさっている裏側などは落ち葉などでダメージを受けていた。熊野古道を歩く皆さんが安らげる場所になるよう頑張って作業をしたい」と話している。

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