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梅システムの魅力、子どもに伝えよう 和大生の力借りスクール

コンペイトーを使って梅ジュース作りを体験する和歌山大学の学生ら(26日、和歌山市で)
コンペイトーを使って梅ジュース作りを体験する和歌山大学の学生ら(26日、和歌山市で)
 みなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会のプロジェクトチームの取り組みとして、和歌山大学の学生の協力を得て、世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」を地元の子どもたちが楽しみながら学ぶプログラム作りを計画している。26日にはチームや町が和大に出向いてセミナーを開き、学生に梅システムについて説明し、梅ジュース作りを体験してもらった。


 2015年に世界農業遺産に認定された梅システムだが、地域住民の認知度が低く、広くアピールもできていない、また梅農家の後継者が不足しているなど課題がある。そこで「子どもたちに、もっとみなべを知ってもらおう」と、まちキャンパスプロジェクトとして座学や体験を組み合わせた「こどもアグリスクール」を開くことを計画した。

 そのプログラムを作るに当たり、大人よりも大学生が関わることで、より子どもたちに伝わり、梅システムの魅力を知り、外へのPRや、地域の後継者になってくれることにもつながるのではないかと考えた。南部高校にも生徒の参加を依頼しているという。

 和大観光学部の学生は来月、みなべ町を訪れることになっているほか、来年度には地域インターンシップでプロジェクトに関わっていく予定。プロジェクトチームでは、こどもアグリスクールを発展させ、将来的に、世界農業遺産を体験してもらう観光事業にもつなげていきたいと構想している。

 和歌山大学観光学部の多目的スペースでは10月から、県内市町村のPRの場として「わかやま×観光展」を開いている。PR展示は1カ月単位。11月はみなべ町で、梅システムや南高梅の誕生、紀州備長炭作りの択伐、梅料理レシピ本などを紹介するポスター展示などをしている。26日のセミナーは、その一環で開いた。

 町うめ課の中早良太さんが、梅栽培の歴史、梅栽培を核とした循環のシステム、梅の機能性などを紹介した。続いて学生たちは、南高梅とコンペイトーを使った梅ジュース作りを楽しんだ。梅の種とばし体験のコーナーも設け、来年2月に同町で開催する「UME―1フェスタ」と梅の種とばし大会を、大会実行委員長の楠谷和弘さんがPRした。

 観光学部2回生の森田光さんは「愛知県出身で地元も梅が有名だが、和歌山の全国シェアはすごいと思った。和歌山市内で暮らしていると、意外と梅との縁がないので、この企画で勉強になった」、同学部2回生の杉本梓さんも「農業遺産という言葉は知らなかった。梅ジュースを作るのは初めてでコンペイトーで作るのがかわいい。種とばし大会にも参加したい」と笑顔だった。

 プロジェクトチームリーダーの上野章さんは「まちキャンパスプロジェクトを通じて、子どもたちには『自分たちが住んでいるまちが最高』と言えるように学んでもらいたいし、誇りを持ってもらいたい。伝えたり発信したりすることが上手な学生の力も借りて盛り上げてほしい」と期待する。

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