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熊野の魅力を水墨画で

作品展「熊野物語」を開いている植地宣之さん(和歌山県田辺市本宮町で)
作品展「熊野物語」を開いている植地宣之さん(和歌山県田辺市本宮町で)
 和歌山県田辺市本宮町の世界遺産熊野本宮館展示ロビーで、水墨画で熊野の魅力を表現した植地宣之さん(77)=新宮市新宮=の作品展「熊野物語」が開かれている。17日まで。

 植地さんは那智勝浦町出身。長年、紀南地方の中学校で美術教師を務め、二科本展で特選を受賞するなど活躍した。2007年に新宮市の熊野川小学校の校長として定年退職した後、奈良県を訪れて仏像やふすま絵などに触れたことがきっかけで、洋画から水墨画へ転向。研さんに励み、これまでに第54回全日本水墨画秀作展環境大臣賞などを受賞している。

 今回は「世界遺産登録20周年を祝し、地元の人や観光で訪れる人に熊野をより広く知ってほしい」との思いで作品展を開いた。熊野本宮大社の旧社地・大斎原(おおゆのはら)と三体月、那智の滝、神倉神社などをテーマにした、色紙から全紙サイズの水墨画計36点を展示。期間中の土・日曜には会場に滞在する予定という。

 植地さんは「雨の多い熊野は湿度が高く、水墨画に向いた情景がたくさんある。それをできるだけ、墨を通して描き続けたい」と話している。

 また、植地さんが指導している「吾部墨游倶楽部(あぶぼくゆうくらぶ)」のメンバー8人の作品計24点も展示している。

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