和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

施設従事者が過去最多 22年度、和歌山県内の障害者虐待

障害者虐待グラフ
障害者虐待グラフ
 和歌山県は、2022年度に障害者福祉施設従事者が行った障害者虐待は7件15人、通報件数は31件で、いずれも過去最多だったと発表した。虐待が疑われる場合の通報義務が浸透してきたことに加え、コロナ禍の外出控えで、利用者と従事者双方がストレスを感じていたことも一因として考えられるとしている。

 障害者虐待状況は12年度から調査している。これまでの最多は14年度の5件9人、通報件数は14年度と20年度の22件だったが22年度はこれらを大きく上回った。前年度比では虐待件数は5件、被虐待者数は11人、通報件数は14件多かった。全国的にも増加傾向にあるという。

 虐待の種別(重複あり)は「性的」「放棄・放置」が各3件、「身体的」と「心理的」が各2件だった。被虐待者の障害種別(重複あり)は「知的障害」13人、「精神障害」3人、「身体障害」2人。男性9人、女性6人。

 虐待者は「生活支援員」4人、「管理者」3人、「職業指導員」と普段の生活を支援する「世話人」「児童指導員」が各1人。虐待が認められた施設は「共同生活援助」2施設、「障害者支援施設」「就労継続支援B型」「生活介護」「自立訓練」「放課後等デイサービス」が各1施設だった。市町村は各事案に対し、施設や虐待者に指導したり、施設に改善計画の提出を求めたりした。

■過去2番目の多さ 家族らによる虐待

 家族ら養護者による虐待は62件(前年度67件)の相談・通報があり、そのうち43件(44件)・43人(44人)の虐待が認められた。過去最多だった前年度に次ぐ2番目の多さとなった。

 虐待の種別(重複あり)は「身体的」31件、「心理的」12件、「性的」と「経済的」各4件、「放棄・放置」3件。被虐待者の障害種別は「精神障害」22人、「身体障害」11人、「知的障害」9人。男性12人、女性が31人だった。

 虐待者は夫12人、父と母が各8人、兄弟姉妹が6人、息子・娘が3人、妻1人などだった。
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