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海外で梅酒人気 輸出や観光客の購入増

英語表記もある梅酒の試飲コーナー(田辺市湊で)
英語表記もある梅酒の試飲コーナー(田辺市湊で)
 和食ブームとアジアを中心とした訪日ビザの緩和を受け、海外で梅酒の人気が上昇している。メーカーの海外出荷が増加しているほか、田辺市を訪れた外国人観光客による購入も増えている。


 田辺市下三栖の梅干し・梅酒製造販売「中田食品」の海外担当によると、海外輸出は5年前に比べ、2倍以上に増加した。梅酒は甘くて、飲みやすいと好評で、タイやベトナム、香港などアジアを中心に人気が高まっている。中国での展示即売会では、5日間で1500本を販売。富裕層だけでなく、一般家庭でも身近になっているという。

 梅酒は欧州やオセアニアでも人気がある。田辺市を訪れる熊野古道歩きの観光客の購入も増えている。田辺駅前商店街の梅酒・梅干し専門店「紀州梅酒で乾杯。」では11月以降、毎日のように外国人客の購入がある。

 欧米系の客は宿泊施設で飲むため小さな瓶を、アジア系の客は土産用にまとめ買いする傾向があるという。中にはSNSなどで話題になっているとして、特定の銘柄を目当てに購入する客もいる。

 同店は「昨日はシンガポール人、今日はスペイン人といった具合に、毎日いろんな国の人が梅酒を買いに来てくれる。QRコードによるキャッシュレス決済には対応しているが、外国人はクレジットカードでの支払いを希望する人が多く、対応を急いでいる」と話した。
行政も後押し


 県も海外での展示販売会や見本市への出展を後押ししている。台湾での梅酒フェアは毎年恒例。今年は9月に8日間、田辺市やみなべ町の梅酒業者が参加した。11月には香港でアジア最大級の酒類専門見本市にみなべ町の業者が出展した。

 県食品流通課は「距離的に近く、輸出の壁も少ないアジアを中心に展開しているが、欧州にも働き掛けていきたい」と話している。

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