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師走の歓喜へ始動 和歌山・田辺で新たな第九合唱団

12月の初公演に向け、練習を始めた「紀南フロイデ合唱団」(5日、和歌山県田辺市南新万で)
12月の初公演に向け、練習を始めた「紀南フロイデ合唱団」(5日、和歌山県田辺市南新万で)
 和歌山県田辺市で5日、「第九」の愛称で知られるベートーベンの交響曲第9番を演奏する「紀南フロイデ合唱団」が発足した。メンバーは中学生から80代まで、117人。田辺市を中心に県外からの参加もある。発会式の後、12月の初公演に向け、早速練習が始まった。

 田辺市で30年以上にわたり師走恒例だった田辺第九演奏会が、2019年に幕を閉じた。市民からの「また歌いたい」「聴きたい」といった声を受けた紀南フロイデ実行委員会がメンバーを募集し、一から新しい団体を立ち上げた。

 発会式は市ひがし公民館(南新万)であった。メンバーで第九演奏会の経験者は半数ほど。実行委の榎本長治会長は「一からの出発。まずはコーラスを楽しむことから。努力を重ね、12月にはみんなで歓喜の歌を響かせよう」、指導者の一人で声楽家の前田佳世さんは「一人が欠けても成り立たないというつもりで臨んでほしい」と呼びかけた。

 初練習では腹式呼吸の姿勢や呼吸法を学び、発声練習。その後、アルトやソプラノなど各パートに分かれ、歌唱練習をした。

 アルトを担当する田辺市上屋敷2丁目の久保眞喜子さん(69)は、高校時代合唱部で、第九演奏会にも6、7回参加していた。「第九は達成感、高揚感がすごい。演奏会がなくなって寂しかった」と会の発足を知り、すぐに手を挙げた。

 「久しぶりの練習は楽しかった。会には知らない若い人も大勢参加していて、声に勢いがある。初めての人にとって練習期間は短いが、どんな歌唱になるか楽しみ。一緒に感動を味わいたい」と目を輝かせた。

 結成記念コンサートは12月14日、田辺市新屋敷町の紀南文化会館大ホールで開催する。初回はオーケストラを招致せず、「第九」のほかにも「花は咲く」「大地讃頌(さんしょう)」などの合唱曲を披露する。

 練習は9月までは月に2回、10月以降は毎週。ひがし公民館で金曜午後7時半~9時。メンバーは随時募集している。問い合わせは前田さん(090・6916・5990)へ。

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