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舞台『千と千尋の神隠し』ロンドン公演 橋本環奈&上白石萌音に称賛の声「才能を感じました」「映画の千尋そのままだった!」

舞台『千と千尋の神隠し』ロンドン公演本初日のカーテンコールより
舞台『千と千尋の神隠し』ロンドン公演本初日のカーテンコールより
 英ロンドンの劇場地区ウェストエンドで最大規模の劇場「ロンドン・コロシアム」で現地時間7日、舞台『千と千尋の神隠し』が4月30日からのプレビューを経て本公演の初日を迎えた。千尋役の橋本環奈と上白石萌音のコメントが到着。さらに、日本人キャストによる日本語での上演を鑑賞した現地の観客の声を紹介する。

【動画】ロンドン公演初日が開幕!現地の歓声を浴びた橋本環奈&上白石萌音

 舞台『千と千尋の神隠し』は、10歳の少女・千尋が、神々の世界に迷い込み豚の姿に変えられてしまった両親を救うために懸命に働き、生きる力を呼び醒ます姿を描いた宮崎駿監督(※崎=たつさき)による大ヒットアニメーション映画をもとに、2022年に東宝創立90周年記念公演として初の舞台化がなされた作品。

 23年名古屋御園座での再演を経て、24年3月東京・帝国劇場からスタートし、名古屋・御園座、福岡・博多座、大阪・梅田芸術劇場メインホール、北海道・札幌文化芸術劇場 hitaruでの上演が決定している全国ツアー公演と並行して、カンパニーが渡英し、初の海外公演がスタートした。

 日本人キャストによる日本語での海外上演としては演劇史上最大規模、また東宝主催公演としても史上初の試みとなった今回のロンドン公演。会場となったロンドン・コロシアムは、ウェストエンド最大級となる約2300席の客席数の劇場。イングリッシュ・ナショナル・オペラの本拠地でもあり、規模と歴史は、日本の帝国劇場(1911年開場、約1900席)と重なる。今回の4ヶ月にわたる135公演(予定)の観客動員は、約30万人を見込んでいる。

 初日の千尋役は、午後2時からの公演では橋本が、午後6時からの公演では上白石が務めた。ロンドンの観客も映画で本作のストーリーやキャラクターを知っているようで、1幕の冒頭、引っ越し先の風景に千尋が「ベー」と舌を出す映画を思い出させる演技に観客はうれしそうな反応を示した。どのパペットも出てくるだけで歓迎され、観客の心をつかんでいた様子。神さまたちが油屋を訪れる場面では、グランドサークル(客席内)に設置された提灯が点灯し、場内全体が不思議な街となり、ロンドン公演ならではの光景が見られた。

 2幕のクライマックス、ハクの名前を思い出す、大きなハク竜と千尋のシーンは、映画同様のシーンに、劇場中の観客が見入っていた。この日の2公演とも、カーテンコールになるとすぐスタンディングオベーションが起こり、割れんばかりの拍手と歓声、指笛で盛り上がった。

 上演後、現地スタッフが観客にインタビューを敢行。地元の観客たちから「号泣しました。魔法のようでした。何もかもが素晴らしかったです。また泣きそう。ハクが竜にから元に戻った時、最高でした。千尋が背中に乗って飛んだ時、良く出来ていると思いました」「宮崎さん、あなたは天才です」「人生で初めて見た世界でした。日本語で見れたのが何より良かったです。日本の文化のエッセンスを感じました」と絶賛されたという。

 また、橋本について「千尋を演じる子に才能を感じました。彼女を見にもう一度行きたい。湯婆婆が大きくなったところが怖かった」。上白石について「完璧、可愛い、演技上手い!」「映画の千尋そのままだった!」といった声も。

 さらに、夏木マリが演じる湯婆婆について「映画と同じ人で見られるなんて信じられない」「2日前に映画を見直したばかりだったんで、そのままで感動」「メイクがすごい」「湯婆婆がうちのお母さんにそっくり(笑)」と大好評だった。

■橋本環奈(千尋役)のコメント

――日本人俳優として、ロンドン・ウェストエンドで舞台のセンターに立ち、ステンディングオベーションを受けた気持ちはいかがですか?

【橋本】今日が初日なので、初日の反応であったりとか、どういうふうな感じになるんだろうという、ワクワクが大きいんですけど プレビューの段階でも日本人のお客様と全然違って、いろんなところで笑いが起こったり、ロンドンの方たちのジブリ好きな気持ちであったり、お酒を飲みながら観ていたり、ポップコーン食べたり、鑑賞スタイルがすごく気楽な部分が、本当に素敵だなと思っています。土曜日は小さなお子さんもいらっしゃいました。そういう方々が見てくださっていることもうれしいですし、カーテンコールのあの熱狂を感じた時、本当にすごいなと思いました。もちろん日本人の方々の、声には出さないけど、すごく楽しんでくれてる気持ちって、舞台に立っていてすごく伝わるんですね。(ロンドンでも)あれだけあたたかい歓声で迎えられて本当にうれしいなと思いました。

――舞台『千と千尋の神隠し』のどんなところがロンドンで受け入れられたと思う?

【橋本】 作品の強さはもちろんですが、ジブリがこれだけ世界に愛されている理由は本当にさまざまあると思うんですよね。でもその中の一つを挙げるとしたら、雑巾がけのシーンも日本ならではだな、という話をしているんですけど、「ごめんなさい」と千尋がすごく謝っているような日本人らしいところを、ロンドンでも、日本でやっていた公演から本当に変えていなくて、日本の良さやリアルを伝えられる部分はこの演劇ならではだと思いますし、ロンドンの方々から観ても楽しんで受け入れていただけているのではないかなと思っています。

■上白石萌音(千尋役)コメント

――日本人俳優としてロンドン・ウェストエンドで舞台のセンターに立ってスタンディングオベーションを受けた気持ちはいかがですか?

【上白石】浴びたことのない熱気を浴びて、しばらくボーっとしてしまうくらいびっくりしました。 お客様たちがとても喜んでくださったのが伝わって来てうれしかったです。カーテンコールの最後に千尋がオンマイクで「ありがとうございました」と言うのですが、その瞬間に、私は日本人で、私たちは日本から来て日本語で作品を届けたんだなという実感が せりあがって来てグッときました。 毎回そこで感じるものがあります。

――舞台『千と千尋の神隠し』のどんなところがロンドンで受け入れられたと思いますか?

【上白石】日本人がすごく日本人をやっているというところが大きいんじゃないかと思います。日本らしさを前面に出したシーンや動きがしっかり受け入れられているのを感じるので、これは私たちだからできることなのかな、と思っています。

 台詞にもたくさん反応があります。母国語ではない言葉で作品を観るのはお客様もエネルギーを使うことだと思いますが、ちゃんと言葉が伝わっているんだな、というのを感じてすごくうれしいです。この作品には言葉のないシーンもたくさんありますが、そこでは日本で感じるのと同じような集中力や言葉のいらない一体感が共通してあって、「ああ一緒に作っているな」という感じがします。



【画像】初日のカーテンコールの橋本環奈&上白石萌音ほか舞台写真
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