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南海トラフ地震に備え考える 孤立集落サミット、和歌山・白浜町椿地区で開催

四輪多関節型建設機械の実演(22日、和歌山県白浜町椿で)
四輪多関節型建設機械の実演(22日、和歌山県白浜町椿で)
旧椿小学校で開かれたパネルディスカッション(21日)
旧椿小学校で開かれたパネルディスカッション(21日)
 南海トラフの大地震に備えた「孤立集落サミット2024」が21、22日、和歌山県白浜町椿地区であった。椿地区は沿岸にあり、生活道の国道が寸断されると孤立する可能性がある。県内外から参加した約150人は、道路に散乱したがれきなどを撤去する際に役立つ重機の実演を見学するなど、災害に備えてできることは何かを考えた。


 東京大学生産技術研究所付属災害対策トレーニングセンター(DMTC)を支援する一般社団法人災害対策トレーニングセンター支援会(東京)などが主催。孤立集落の人々が災害に対して、どう考え、行動するかを体験するプログラムで、千葉県、静岡県など全国各地で開催している。椿地区での開催は今年2月に続いて2回目。前回は、避難所運営体験などを通して防災を考えるワークショップを開いた。

 今回は、初日に旧椿小学校で「効率的な公助」などをテーマにしたパネルディスカッションがあり、パネリストとして大江康弘町長、三栖拓也県議、大谷昌明区長も参加。1月に発生した能登半島地震を教訓に今から何ができるかを話し合った。

 南海トラフの大地震では、被災範囲が広いことなどから、外からの支援が遅れる可能性が高い。土砂などで生活道路が埋まり、通行できなくなることを想定し、地元で重機を備えておくとともに、操縦者を育成しておく必要があるのではないかという意見があった。

 椿地区内の人口は約500人と少ないことから、災害時に駆け付けてもらえるボランティアを事前登録できないかという提案も。生活の場となる避難所のリーダーは女性が務めた方がよいという意見もあった。

 リゾートマンションで暮らす人や観光客など、面識のない人を避難所でどのようにして受け入れるかといった課題も挙がった。

 2日目は、椿地区にある町最終処分場の敷地内で、がれきの除去などで活躍する四輪多関節型建設機械の実演があった。参加者は実際に山の木を伐採する様子などを見学し、熱心に質問していた。この機械は、国土交通省、都庁を含め国内に16台あるが、近畿圏にはないという。この日の実演では、徳島県の建設会社が所有するものを使用した。

 サミットに参加した戎脇渡さん(74)=椿=は「地震に対する日々の備えが大事だと思った。防災訓練に参加して意識を高めていきたい」と話した。

 サミットでは野球・さわかみ関西独立リーグの和歌山ウェイブスが、会場の設営や片付けをボランティアで手伝った。

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