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世界遺産の価値再認識 「霊場と参詣道」15周年シンポ

世界遺産登録15周年シンポジウムで意見交換をするパネリスト(和歌山県田辺市本宮町で)
世界遺産登録15周年シンポジウムで意見交換をするパネリスト(和歌山県田辺市本宮町で)
 和歌山県田辺市本宮町の世界遺産熊野本宮館で18日、「世界遺産登録15周年シンポジウム」があった。約120人が来場し、専門家による講演やパネルディスカッションを通じて、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の価値や魅力を再認識した。

 和歌山、奈良、三重の3県でつくる「世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』三県協議会」の主催。2004年7月の世界遺産登録からの15年を振り返り、保全や活用について議論を深めたいなどとして開いた。

 この日は、西村幸夫・日本イコモス国内委員会顧問が「世界遺産を巡る近年の動向」と題して基調講演。世界遺産登録の際のキーワードになった「文化的景観」について「棚田など一瞬にして分かるものが世界遺産になっていたが、道が醸し出しているさまざまな風景が文化的景観であるというのは新しいチャレンジだった」などと登録時の様子を明かしたほか、果無集落(奈良県十津川村)の美しい景観などを例に挙げて「磨かれている」と、この15年を振り返った。

 さらに、世界遺産の目的が「世界の宝を破壊から守ること」から「文化の多様性の称揚」へと広がっていることや、近年登録された国内の世界遺産について紹介。「世界遺産の議論は価値を深めることについてすごく意味があって、世界の中で考えることにより新しい価値に気付くことにつながる」と述べた。

 続いて「15年の歩み」をテーマに、西村顧問がコーディネーターを務め、多田稔子・田辺市熊野ツーリズムビューロー会長や岡橋純子・聖心女子大学准教授、辻林浩・和歌山県世界遺産センター顧問、伊藤文彦・三重県教育委員会主査が参加したパネルディスカッションがあった。

 出席者同士で登録当時の苦労話や保全と活用などについて意見を交換。「紀伊山地の霊場と参詣道は活用すること自体が価値であり、価値を守ることにもつながる」(岡橋准教授)、「最初の、どうして世界遺産になったのか信じられないという感覚から、世界中から歩きに来てくれており、素晴らしい所に生まれ育ったんだという感覚に転換があった。地域の誇りが再構築された」(多田会長)といった声があった。

 最後に、今後の展望についても話し合い「調査とメンテナンスを続けていくことが世界遺産の未来にとって大事。指定範囲を広げていくことは、今後の展望として重要なのではないか」(岡橋准教授)、「放置された森林が多い。これを何とかしなくては文化的景観は守れない」(辻林顧問)などの意見が出た。

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