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負債総額過去10年で最少 19年の和歌山県内企業倒産

 東京商工リサーチ和歌山支店は、2019年に発生した和歌山県内企業の倒産状況(負債額1千万円以上)をまとめた。倒産は86件で、2年続けて増加したが、小口倒産がほとんど。負債総額が31億7400万円となり、過去10年間で最も少なかった。

 上半期の件数は前年を下回ったが、10月に15件、11月に11件と多発し、年間では前年より6件増えた。過去10年間でみると、13年に100件を割り、16年の93件の後、17年に77件と大幅に減ったが、18年に80件と増加に転じ、19年はさらに増えた。

 一方、負債総額は前年より111億7400万円減り、低水準。5億円以上の倒産がなく、1億円以上も7件と少なく、ほとんどが小口倒産だったのが要因。

 業種別には、サービス業が31件と前年に続いて最多。建設業の20件、小売業の16件と続いた。ほとんどが従業員が少数の会社だった。

 地域別では、和歌山市が40件(前年比2件増)で最多。紀南地方では田辺市6件(前年比1件減)、西牟婁郡4件(同3件増)、東牟婁郡3件(同1件増)。前年に4件だった新宮市ではなかった。

 同支店は「金融機関による取引先への積極的な支援などで上半期の倒産は低水準だったが、秋以降に増加に転じた。引き続き体力の弱い小口倒産が主流に変わりはないが、貸し出し姿勢の変化や人手不足の問題などから増加に転じる懸念は高まっている」としている。

◆ 昨年12月は6件

 昨年12月の倒産は6件で、負債総額は1億1700万円だった。紀南関係では上富田町の小売業が倒産した。

 件数は前年の12月と比べると2件減少し、12月としては過去10年で2番目に少なかった。負債総額は15億6500万円減少し、過去10年間で3番目の少なさ。

 業種別にはサービス業が4件、建設業と小売業が各1件。市町村別では和歌山市が2件、岩出市と海南市、有田川町、上富田町が各1件だった。

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