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洋上風力発電、田辺市で説明会 和歌山県

洋上風力発電で県の考え方を説明する柴田和也・産業技術政策課長(24日、和歌山県田辺市新庄町で)
洋上風力発電で県の考え方を説明する柴田和也・産業技術政策課長(24日、和歌山県田辺市新庄町で)
 洋上風力発電について理解を深める和歌山県のフォーラムが24日、田辺市新庄町のビッグ・ユーであった。講演では洋上風力発電を取り巻く国内の動向や先進地の事例、県の取り組みなどを説明。利点が示される一方、約60人の参加者からは環境や産業への影響を不安視する意見も出た。

 海上に風車を設置する洋上風力発電は、1990年以降、欧州で普及している。陸上より安定した風が吹くため、効率的に発電できる利点がある。国内でも各地で導入を検討中。県は陸上の風力発電量が近畿1位で、洋上も風況が良いという。

 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部政策課の中西拓也課長補佐は「火力発電に比べ、二酸化炭素の排出量が少ない。大規模に開発すれば経済性も確保できる。資材の活用や雇用創出など、地元産業への好影響も期待できる」と利点を説明した。

 東京大学先端科学技術研究センターの飯田誠特任准教授は「自然相手だから非常に不確かな事象と付き合う必要がある」とした上で「アイデア次第で、自然環境と人間、生態系と融和する道筋をつくることができるシステム。地域活性化への貢献も期待できる」と強調した。

 県は2018年度から、自然環境の観点で洋上風力発電事業の検討に適した海域と、慎重になるべき海域を示す「ゾーニング」を進めている。

 柴田和也・県産業技術政策課長は「県は大規模風力発電が地域のためになるなら、再生可能エネルギー推進の立場から実現を後押しする。地域住民の生活環境、漁業や観光への悪影響があるようなら、厳しく対応する。中立の立場」と考え方を示した。

 参加者からは「ゾーニングについて意見募集しているが、たった10日間でどこまで反映できるのか」「漁業への影響が大きい。もう少し時間をかけて計画を作ってほしい」などの意見が出た。柴田課長は「これで決定になるわけではない。いろんな意見を聞いて進めたい」と答えた。

■ゾーニングで意見募集

 県は洋上風力発電の適正な立地に役立てるため、ゾーニングマップと報告書について、意見を募集している。県ホームページや各振興局企画産業課で閲覧できる。応募は28日まで。

 問い合わせは県産業技術政策課(073・441・2354)へ。

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