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養鶏場の死骸14万羽の処理開始 和歌山県が行政代執行

ニワトリの死骸を容器に詰める作業を進める防護服を着た作業員(23日、田辺市中辺路町大内川で)
ニワトリの死骸を容器に詰める作業を進める防護服を着た作業員(23日、田辺市中辺路町大内川で)
 県は23日、田辺市中辺路町大内川など県内3カ所の養鶏場で、県のブランド鶏「紀州うめどり」計約14万羽が死んだまま放置されている問題で、行政代執行による死骸の処理を始めた。田辺市内の養鶏場では、早ければ4月6日までにプラスチック製の密閉容器に詰めて保管する作業を終える予定。その後、焼却処分を計画している。


 紀州うめどりを生産してきた「有田養鶏農業協同組合」(有田川町、平松重人代表理事)が昨年12月に経営破綻し、田辺市中辺路町大内川の養鶏場で6万8千羽、日高川町にある2カ所の養鶏場で計7万2千羽が餓死。死んだまま放置され、住民から悪臭などの苦情が市町や県に入っていた。

 県は有田養鶏に対して適切に管理するよう再三求めてきたが改善されず、悪臭や害虫の発生が懸念されるため「早急に対応する必要がある」などと判断。廃棄物処理法に基づき、所有者に代わって処理をする行政代執行に踏み切った。費用として約1億円を見込んでおり、後日、有田養鶏に請求する。

 田辺市中辺路町大内川の養鶏場は、集落を抜ける国道371号から市道を約2キロ入った民家のない山間にあり、鶏舎16棟が連なっている。

 この日は午前10時から、白い防護服を着た作業員が鶏舎の中に入り、死骸を一輪車にのせて外に運び出し、二重のビニール袋が入ったプラスチック製の容器に密閉する作業を始めた。作業は平日の午前9時から午後4時ごろまで行われる予定。

 養鶏場から1キロほど離れた場所に住む60代の男性は「あまりにも無残で、ニワトリが死んでしまう前に何とかできなかったのかと思う。気温が高くなる中、このまま放置されたままだったらどうなるのかと不安だったので、早く対応してくれてありがたい」と話していた。

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