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夏シーズンのカツオ漁好調 浮き魚礁に群れ定着

ハネ釣りで水揚げされたカツオをサイズで選別する作業員(和歌山県すさみ町周参見で)
ハネ釣りで水揚げされたカツオをサイズで選別する作業員(和歌山県すさみ町周参見で)
 和歌山県紀南地方の漁港で、カツオの水揚げが5月下旬から好調になっている。紀南沖にある浮き魚礁にカツオの群れが定着しており、春シーズンの不良から一転した。中心は一本釣り(ハネ釣り)によるものだが、すさみ町の和歌山南漁協すさみ支所には多い日で約15トンが水揚げされた。夏シーズンは好調で、漁業関係者は「少しでも長く続けば」と期待している。

 県水産試験場によると、カツオが居着いている浮き魚礁は、県が2018年に設置した白浜町沖の「瀬戸埼」と「富田沖」、19年に設置した太地町沖の「梶取埼」の計3基。「瀬戸埼」と「梶取埼」は常時、水温や風速、風向を公開しており、漁業者が活用している。

 浮き魚礁を設置してから、5~7月の水揚げが増加、効果が表れているという。それまでハネ釣りは群れを探して操業していたため、経費もかかっていた。昨年通りだと7月ごろまでは水揚げが続きそうだという。

 主要3漁協(田辺、すさみ、串本)のハネ釣りの5~7月の水揚げは、2017年が計163・7トン、18年が183・4トンだったが、昨年は225・6トンと増えており、今年も昨年並みが期待されている。

 すさみ支所では、5月下旬から水揚げが徐々に多くなり、6月中旬に入って1トン以上の日が増えて本格化した。15日にはハネ釣りとケンケン漁(ひき縄漁)合わせて約15トンの水揚げがあった。

 大きさは重さ4キロ前後の大型が中心で、頃合いの2キロ前後は少ない。価格は春シーズンより安値で推移しているという。

 県水産試験場の山根弘士主査研究員は「漁師らの話では、水温が22~23度と高くなると、ケンケンで釣りにくくなって、瀬に着く習性があると聞く。それと一緒で、浮き魚礁に着いてハネで釣れているのではないか」と話している。

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