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「和歌山梅酒」を世界へ 地理的表示の管理委員会設立

「和歌山梅酒」の認証ロゴマーク
「和歌山梅酒」の認証ロゴマーク
 日本一の梅産地、和歌山で造られる梅酒を世界にアピールしようと、県内で梅酒を造る酒造会社や梅加工会社などが26日、「GI和歌山梅酒管理委員会」を設立した。9月上旬には「和歌山梅酒」としてGI(ジオグラフィカル・インディケーション、地理的表示)に指定される見通しで、今後、ブランド力を高め、販売拡大を目指す。

 和歌山は梅の生産量が日本一で、主力品種「南高梅」を使った梅干しは全国的に人気がある。近年はさまざまな品種の梅を使った梅酒の製造も盛んになっており、海外にも輸出されている。さらに販売を拡大するためにはブランド価値を高める必要があるとして、GI指定を目指した。

 GIは生産者団体が申請し、国に認定されるとGIマークを付けて販売できる。地域の特徴的な農林水産物や食品などを地域ブランドとして守るために2015年に創設された制度で、酒類は国内では現在、灘五郷の清酒、山梨のぶどう酒、薩摩の蒸留酒(サツマイモ)など12件が指定されている。

 県内の酒造会社や梅加工会社などは昨年2月から、GI指定を目指して活動。指定に見通しが立ったことで26日、みなべ町谷口の町生涯学習センターで設立総会を開いた。管理委員会に入会する30社と県やみなべ町、田辺市、大阪国税局などの関係者ら計約50人が出席した。

 設立の発起人である中野BC(海南市)会長の中野幸生さんはあいさつで「国税局には清酒で指定を目指すことを勧められたが、和歌山では梅酒の製造が多いことや、酒の消費が右肩下がりなのに対し、梅酒が増えていることから梅酒にした。魅力を全国や世界にアピールしていきたい」と語った。

 今後、会員制交流サイト(SNS)で情報発信したり、県や国税局のイベントに参加したりしてPRするとともに、「和歌山梅酒」として売り出す梅酒の適切な品質管理の徹底も続ける。梅酒を製造する農家も含め、加入を増やしたいという。

 総会では役員の選出があり、会長に中野BC会長の中野さん、副会長に平和酒造(海南市)会長の山本文男さん、中田食品(田辺市下三栖)社長の中田吉昭さん、梅一番井口(みなべ町西本庄)取締役の北村泰之さんが決まった。

■ ロゴマーク作成

 ロゴマークも作成した。「和歌山梅酒」認定を証明するマークで、使用ガイドラインも定めている。

 デザインは、グラスに注がれている黄金色に輝く梅酒と、初夏に収穫されて漬けられた緑色の梅の実のイメージを図案化したもの。国内と海外市場の消費者に識別しやすい色彩と読みやすい文字による表示で、認知されることを期待したいという。

 問い合わせはGI和歌山梅酒管理委員会事務局(073・431・8689)へ。

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