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京大グループに自然保護大賞 半世紀にわたり畠島定点調査

畠島で調査するグループメンバー
畠島で調査するグループメンバー
 田辺湾(和歌山県)の無人島「畠島」で、半世紀にわたって定点調査を続ける、京都大学瀬戸臨海実験所(白浜町)などでつくる研究グループが、日本自然保護協会の「日本自然保護大賞2021」で特別賞(沼田眞賞)に選ばれた。


 日本自然保護大賞は、地域性や継続性、専門性、先進性の観点から、生物・生態系の研究、自然保護の実践、環境教育の推進などに大きく貢献する取り組みをした個人や団体を表彰している。

 実験所では大寒波による低水温で多くの海洋生物が死んだ1963年から、回復状況を記録しようと、年1回、畠島の西側1区画(約7・5平方メートル)でムラサキウニとタワシウニ、ナガウニ類の定点調査を始めた。69年からは「畠島海岸生物群集一世紀間調査グループ」として、他の生き物も含めた本格的な調査となった。ウニ類について半世紀にわたる定点調査は世界でも例がなく、ウニ類が人間活動の間接的な影響を強く受けていることを明らかにした。

 同グループに参加する実験所の中野智之助教は「長年続けてきたことが評価されてうれしい。これを励みにあと50年続けていきたい」と話している。


 授賞記念シンポジウムは、3月13日にオンラインで開催される。受賞者が地域の自然に根差した、新しい発想や多様な活動を発表する。

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