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今夏の第5波到来を懸念 新型コロナで和歌山県

 和歌山県福祉保健部の野尻孝子技監は2日、新型コロナウイルスの「第4波」中、一部に市中感染があったと考えられると明らかにした。今後、感染力が強いとされるインド由来の変異株「デルタ株」が県内で広がり、7月下旬から8月にかけて「第5波」の拡大期を迎える懸念があるとし「早期に、多くの希望者にワクチンを接種することが望まれる」と話した。


 野尻技監が、これまでの県内の感染状況を分析し、記者会見した。

 現在「第4波」はほぼ収束したが、これまでの波のピークは2~3カ月周期で到来している。波を追うごとに感染者は増え「第1波」(昨年2月13日~6月22日)の感染者は63人、「第2波」(6月23日~10月31日)は212人、「第3波」(11月1日~今年3月13日)は897人、「第4波」(3月14日以降)は7月1日までで1517人。

 「第4波」では、感染経路が分からない感染者が増えたが、国立感染研究所の遺伝子解析の結果、関連性のない人同士も、同じウイルスに感染していたことが判明。このことから野尻技監は「どこで感染したかは分からないが、ウイルスが全く同じということは、どこかで接触があった」とし、3月下旬から5月上旬にかけて、一部で市中感染が起こっていたとの見方を示した。

■デルタ株拡大の可能性も

 最初に感染が判明した1人が何人に感染させたかについて見たところ「第1波」は1・37人だったのが、「第2波」1・44人、「第3波」1・62人、「第4波」(5月末まで)1・72人と感染力も増している。

 第4波は、感染力の強い英国由来の変異株「アルファ株」感染者が多かったのが特徴で、5月下旬以降は従来株から「アルファ株」に置き換わったという。さらに「デルタ株」は、県内では確認されていないが、東京を中心に増えており、今後、県内でも「アルファ株」からの置き換わりも考えられるという。

 野尻技監は「今夏は要注意な時期」といい、マスク着用や、手洗い、手指消毒、部屋の換気などの対策徹底を改めて呼び掛けた。東京五輪については「水際(での持ち込み阻止)は100%ではないので、大変危惧している」と話した。

■他者への感染 半数超が発症前

 感染者が他者に感染させたと推定される時期については、発症当日が26・8%と最多だったが、次いで1日前が24・2%、2日前が15・5%、3日前が10・6%となり、4日前も3%いた。このことから、全体の半数を超える感染者が、発症前に他者に感染させたことも分かった。

■ワクチン効果 副反応との関連見られず

 県内の1病院が、ファイザー製ワクチンを2回接種した医療従事者471人について調べたところ、68人に副反応(37・5度以上の発熱かつ、全身症状)が見られたが、全員に有効な抗体ができており、副反応の有無との関連性は見られなかったことも分かった。

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