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観光特急「銀河」が初来県 運行開始に向け試運転

橋杭岩の近くを走る「WEST EXPRESS銀河」(4日午前8時すぎ、和歌山県串本町くじの川で)
橋杭岩の近くを走る「WEST EXPRESS銀河」(4日午前8時すぎ、和歌山県串本町くじの川で)
和歌山大学の「きのくに線活性化プロジェクト」が作った「うみえるマップ」
和歌山大学の「きのくに線活性化プロジェクト」が作った「うみえるマップ」
 JR西日本の観光特急列車「WEST EXPRESS(ウエスト エクスプレス)銀河」が16日から京都―新宮間で運行を始めるのを前に、マスコミ関係者を乗せた試運転が3、4の両日あり、銀河が和歌山県紀南地方を初めて走った。

 「銀河」は停車先で観光案内や地元食材を使った食事、特産品の買い物などが楽しめる。昨年9月にデビューし、山陰方面や山陽方面を運行してきた。県や紀南7市町村(すさみ町―北山村)からの要望を受け、JR西日本は、紀南方面への運行を決定した。

 16日から12月22日まで、1週間に2往復運行する。基本的には、月曜夜に京都を出発し、翌朝新宮に到着。水曜昼に新宮を出発し、その日の夜、京都に到着。金曜夜に京都を出発し、翌朝新宮に到着。日曜昼に新宮を出発する。

 今回の試運転には大阪などのマスコミ関係者31人が乗車し、3日午後9時15分にJR京都駅を出発した。

 途中下車が計画されているJR串本駅には、4日午前6時4分に到着した。乗客は専用バスに乗って移動し、南紀熊野ジオパークガイドの会の上野一夫会長(73)の案内で串本町くじの川にある国の名勝・天然記念物「橋杭岩」を見学し、朝食。紀伊勝浦駅に停車した後、9時37分に終点である新宮駅に到着した。

 乗客に橋杭岩の成り立ちや地域の歴史などを説明した上野さんは「今日は本番通りの案内をした。いよいよ運行が始まるのでわくわくしている。串本の魅力をPRするチャンス」と意気込んだ。

 JRきのくに線を通じて地域の活性化を目指す和歌山大学生の自主プロジェクト「きのくに線活性化プロジェクト(きの活、16人)」の学生4人も、銀河を追い掛けながら自主的に歓迎。2年生の岸本瑞生代表(19)は「和歌山県に初めて入線した銀河を見ることができてうれしい。無事に運行が始まり、地域の活性化につながってほしい」と話していた。

■車窓からの海、マップで紹介 和大生が作製

 「きの活」は、「銀河」の車窓から海岸が見える場所や時間を紹介するリーフレット「うみえるマップ」を作製した。車内で配布される。

 「マップ」ではみなべ町以南で車窓から海が見える10カ所を厳選し「銀河」の通過時間や特徴を写真付きで紹介。みなべ町の「岩代―南部」については「千里の浜。京都行きの通過時間帯には季節によっては美しい夕日が望める」、新宮市の「三輪崎―新宮」は「王子ケ浜。まっすぐ3キロほど続く海岸線」などと説明している。

 きの活では、乗客や写真愛好者、地域住民らの交流につながればと、インスタグラムなどの会員制交流サイト(SNS)に「#銀河いまここ」のハッシュタグを付けて投稿するよう呼び掛けている。

 岸本代表は「マップで車内から見える海をイメージしてもらった上で、写真を撮ったり、SNSに投稿したりしてほしい」と話した。

 「きの活」はほかにも、県内の名産や文化をクイズなどで紹介する録音音声を、昼行便の車内で放送。また「銀河」や紀勢線に興味がある人、紀南を訪れたい人向けに「旅の計画会」をオンラインで企画。紀南の観光関係者らと紀南の魅力について話し合ってもらうという。
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