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スマート農業の普及目指す みなべ、田辺で実践塾や実証事業

農業用無人車の操作を体験する農家(和歌山県みなべ町東本庄で)
農業用無人車の操作を体験する農家(和歌山県みなべ町東本庄で)
 ICT(情報通信技術)やロボット技術を使った「スマート農業」の導入、普及を目指す活動が活発になっている。和歌山県みなべ町東本庄の県うめ研究所で県の実践塾があった。田辺市上秋津では、進行中の実証プロジェクトの改善点について、農家や関係者が意見交換した。

 県の「わかやまスマート農業実践塾(果樹コース)」は8月31日にあり、若手農家など約30人が参加した。講習では、スマートフォンなどで設定すれば、自動走行による農薬散布のほか、作物や資材の運搬が可能な農業用無人車について、販売代理店が説明した。

 梅畑で速度を変えて走らせたり、農薬代わりにタンクに入れた水を角度を変えながら散布したりして、無人車の特徴を紹介。参加者もリモコンを持ち、操作を体験した。

 参加者からは充電時間や価格、散布量、車高が変えられるかなどの質問があった。販売代理店によると、価格は本体やアンテナ、バッテリーなど合わせて260万円くらい(税抜き)で、東北地方ではブドウやリンゴなどを作る農家で導入されているという。

 みなべ町内の農家(29)は「将来的にはスマート農機を導入したいが、現時点では価格や効果の面で見送っている。先にスマート農機が使えるように園地の整備が必要」と言い、町内の別の農家(38)も「今、梅を作っている急斜面の畑では使うのが難しい」と話した。

 今後の農業実践塾は、遠隔操作できる「リモコン式草刈機」の講習を29日午後1時半~3時半、田辺市秋津町のJA紀南中央購買センター近隣ほ場で予定している。



 田辺市上秋津では、地元の「秋津野」など農業法人や行政、JA、和歌山大学が共同事業体をつくり、昨年度と本年度の2年間、中山間地での果樹生産のスマート農業化に向けた、農林水産省の実証プロジェクト事業を進めている。

 微気象観測装置のデータや農業日誌アプリ、リモコン式自走草刈り機を活用し、効率的な果樹生産を目指している。8月26日に事業の推進会議があり、農家や関係者13人が、改善点などを意見交換した。

 農業日誌アプリでは、今年1月から、梅やかんきつ類を栽培する20人の地元農家が本格的に記帳し始めたが、上秋津地域は1園地に何種類ものかんきつ類が混植されているため入力しにくい、音声入力にしてほしいといった、入力面での改善を要望する声が農家からあった。

 気温や雨量、風速、湿度、日照時間などがスマートフォンで確認できる、微気象観測装置については、開発関係者から、表示の変更や、気温や雨量の警告機能を使えるようにすることの説明もあった。

 秋津野の木村則夫社長は「農業日誌アプリの改善点を開発業者に伝えられたので、使いやすいように改良されることを期待したい。微気象観測装置も、農家の要望を取り入れて開発を進めてくれており、プロジェクト期間以降も使っていきたい。近年、気候変動が激しく、持続可能な農業のために生かしていきたい」と話している。

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