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熊野三山で慰霊祭 紀伊半島大水害犠牲者の冥福祈る

雷雨の中、大斎原で営まれた紀伊半島大水害慰霊祭(3日、和歌山県田辺市本宮町本宮で)
雷雨の中、大斎原で営まれた紀伊半島大水害慰霊祭(3日、和歌山県田辺市本宮町本宮で)
 紀伊半島大水害から10年の節目を迎えた3、4日、和歌山県の熊野三山は慰霊祭を営んだ。それぞれの地域の関係者が参列し、犠牲者の冥福を祈るとともに防災意識の向上を誓った。

 田辺市本宮町の世界遺産・熊野本宮大社は3日、旧社地・大斎原(おおゆのはら)で慰霊祭を営んだ。雷雨の中、行政、消防、商工会などの関係者約40人が参列。九鬼家隆宮司が祝詞を読み上げるなどし、参列者が神前に玉串をささげた。

 九鬼宮司はあいさつで、災害時は、普段からの人と人とのつながりや、近所で助け合う「地域力」が重要になってくると述べ、祖先が守ってきたこの地を守るため、慰霊祭を契機に「心を一つにして前に進んでいきたい」と決意を述べた。

 参列した真砂充敏市長もあいさつし、大水害は想像を超えるもので、市民9人が犠牲になったと振り返り、水害の教訓を後世に伝え、記憶を風化させないようにし、災害に強いまちづくりを進めていきたいと協力を呼び掛けた。

 4日には新宮市の熊野速玉大社が同社本殿で、那智勝浦町の熊野那智大社と青岸渡寺が町内にある那智谷水害慰霊碑前で慰霊祭を営んだ。

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